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【スポーツ】ラグビー日本代表合宿 残念な日曜日の使い方

 日本で開催されるラグビーW杯開幕まで、90日を切った。日本代表は現在、史上初の8強進出という目標に向けて、宮崎市の「シェラトングランデオーシャンリゾート」で合宿中だ。W杯に向けて追い込むことをテーマに、1日最大4度のハードなメニューをこなしている。

 9月12日にはW杯開幕100日前を迎えた。大々的に報道された翌13日の練習には、木曜日にもかかわらず前日の3倍増となる約150人のファンが、見学に訪れた。リーチ・マイケル主将(東芝)は「10年前は、10人くらいだった。どんどん増えてきてうれしいです。もっと増えていいくらい」と歓迎していた。

 選手は公開練習の後には可能な限りサインや写真撮影などのファンサービスに応じている。29日の午前練習後には、プロップ山下裕史(神戸製鋼)が練習場とファン待機エリアを何度も往復してペットボトルの飲料水を子どもたちに配った。「僕らが渡すのと自分で買うのとは違うと思いますし、それで喜んでくれれば。僕らは(ファンが)来てもらってありがたいので」と笑顔で話した。

 合宿はファンと触れあう貴重な機会でもある。宮崎、九州のファンにとっては、日本代表選手を生で見る機会はめったにない。少しでもファン層を拡大させるチャンスでもある。その点で、少し違和感を覚えたのは、今合宿の日程だ。

 合宿期間は6月9日~19日、23日~7月3日、7日~17日の3クール制。すべて日曜に始まり翌週の水曜に終わるが、各クール初日は集合のみ、クール中の日曜日はオフ。ファンが最も集まりやすい日曜日にファン対応はない。16日の日曜日には、訪れたファンが「練習はやっていないんですか?」と落胆する姿があった。

 例えばプロ野球。例年2月1日から約1カ月行われるキャンプでは、基本的に休養日は土、日を避けて組み込む。世間が休みの日に練習をすることで、より多くのファンに見てもらい、触れあう機会を作ることが狙いだ。

 W杯に向けて厳しい強化のまっ最中にあるラグビーと、1年の始動であるプロ野球キャンプと比較するのは多少無理があるかもしれない。ただ、日程を2日ずらすだけで、より多くの人に見てもらう機会が増えるのではないか。

 かつてSH田中史朗(キヤノン)はこう話していた。「グラウンドに来てほしいと思います。ルールが分からない人ってたくさんいると思うんですけど、グラウンドに来て音を聞くというのをやってもらいたい」。生で見ないと味わえない、鍛えた肉体と肉体のぶつかり合う迫力ある音。ラグビーならではの魅力がある。

 日本で開催されるW杯。キャッチフレーズは「4年に一度じゃない。一生に一度だ」だ。ラグビー界にとってのまたとないチャンス。多くの人、特に子どもたちが訪れることができる日曜日の使い方が、これでは少しもったいない。(デイリースポーツ・鈴木創太)

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