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【野球】ソフトバンク千賀は“フォームお化け” 投げ方へのこだわり

 ソフトバンク・千賀滉大投手の代名詞といえばお化けフォーク。しかし、じつは「フォームお化け」と呼ぶ方がふさわしいのではなかろうか。

 自身はともかく他人の投げ方まで細かく分析してあれこれ関心を示す現役選手は実に珍しい。その原点は毎年1月に参加する自主トレにある。まだ背番号128だったプロ1年目のオフに先輩の紹介で「鴻江スポーツアカデミー」代表の鴻江寿治(こうのえ・ひさお)トレーナーと出会った。以来、同氏が主宰する合宿に欠かさず通っている。

 「1年目のフォームなんて酷かった。何の知識もなかったから。この合宿は色々な選手が参加する。最初の年は中日の吉見(一起)さんや大リーグに行ったチェン(ウェイン)さんとか。違う人のフォームづくりも見ていく中で、それが楽しくなってきた。研究というか、見るのが好き」

 さらに言葉を継ぐ。「もちろん観察していて、フォームの理屈や考えが自分に理解できない投手もいます。それは自分の考えより上回っていることをやっているのかもしれない。そんな発見も楽しい」

 鴻江氏は、骨盤の向きによって人間の体は大きく2パターンに分けられるとの理論を提唱している。上半身始動の「うで体」、下半身始動の「あし体」だ。千賀は後者である。それに基づいた体の使い方を確認するために、プロ9年目を迎える今年も例年どおりに合宿に参加した。

 西武の榎田やオリックスの松葉らも昨年に引き続き共に汗を流した中、「千賀さんから学びたい」と初めて門を叩いたのが千葉ロッテの種市だった。種市は千賀の観察眼のすごさにただただ驚いた。「初めてキャッチボールをした時には自分の悪い癖を見抜かれたし、その後も自分の意識した細かい部分もズバッと言い当てるんです」。鴻江トレーナーの指導を受け、千賀にも助言をもらった種市のピッチングは、わずか数日間で見違えた。千賀はチームメイトから「余計な事を教えるなよ(笑)」と冗談めかして言われたそうだが、その思いは残念ながら(?)叶わなかったようだ。

 また、千賀自身のフォームも充実期を迎えつつあるようだ。ビフォーアフターを一画面に編集して動作解析を行うが、「その差が自分で見ても分からない時がある」ほど精度が高まってきている。千賀は今季から成績連動型の社会貢献活動を始める。子供の虐待を無くすことを呼びかける市民運動である「オレンジリボン運動」に強く賛同し、奪三振数に応じて寄付を行う。

 「野球で打たれてもあまりイラつくことはないけど、そのようなニュースを見た時は本当に腹が立つんです」。今季にかけるモチベーションはより高まっている。真のエースと呼ばれるための分岐点となるシーズンになりそうだ。(デイリースポーツ特約記者・田尻耕太郎)

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