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【野球】阪神・矢野監督が描く来季打線 和製4番の台頭願う

4番候補のひとり、大山悠輔内野手
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 世界最高峰とされるメジャー・リーグでは、「2番打者最強説」が常識として定着しつつある。2017年の新人王、本塁打王にも輝いたヤンキースのアーロン・ジャッジを筆頭に、エンゼルスのマイク・トラウト、アストロズのホセ・アルテューベらは日本でも、広く名前が知られる2番の強打者だろう。

 日本でもかつて、日本ハム在籍時の小笠原道大や、ヤクルトが川端慎吾を2番に置いた。今季は楽天がカルロス・ペゲーロを2番に据えた。少し強打者の定義が異なるが、阪神の矢野燿大新監督も2003年の赤星憲広を理想に「左打者で足の速いやつがいい」と、2番に巧打者を置く打線を来季構想に掲げる。

 ただ、移り行く時代の中、変わらないものもある。それは「4番打者」の存在だろう。阪神の4番と言えば金本知憲前監督、そして掛布雅之(現シニア・エグゼクティブ・アドバイザー=SEA)だ。ミスター・タイガースは今月22日、兵庫・宝塚市にある阪神競馬場内でMBSラジオ「亀山努のスポーツマンデー!」(月曜午後6時~)の収録に参加。「4番論」についても熱く語った。

 「巨人がなりふり構わず補強することに対して、ファンの人はいろんな意見があると思う。ただ、広島の4連覇を阻止するための補強という意味ではヨシでしょう。やり過ぎだというくらいやらないと、いまの広島は倒せない。鈴木誠也という素晴らしい4番打者が育っていますから。丸の移籍は、大きな穴に間違いないが、広島は穴と見せない野球ができる」

 FA権を行使して丸佳浩外野手が巨人に移籍しても、4番がいる限り広島の強さは揺るがないと力説する。同時に、今季巨人の4番を張った岡本和真内野手に対しては、丸の加入で「モロさが出なければいいが」と懸念する。

 「丸は(来年も)打つでしょう。で、マークされて、歩かされるケースが増えるわけです。そうなった時、岡本勝負になる。そこでモロさがでなければいいが。丸が入ったことによって、4番の岡本がかなり悩むと思う。3番が打つというのは、すごく4番として難しいんですよ。僕はバースで経験していますからね」

 掛布SEA自身、2度の三冠王を獲得したランディ・バース氏の後を打ち、優勝した1985年には40本塁打を放つなど、3度の本塁打王を獲得した。

 「3番に強い打者がいる時の4番というのは、彼はまだ分かっていないでしょうから。原監督がクロマティという素晴らしい打者の後ろを打つ4番だったので。その辺りの気持ちというものを、岡本にちゃんと説明してあげないと。4番とはこういうものだというのをね。じゃないと4番で切られるような、打線というのも考えられるよね」

 この重圧に打ち勝った時、真の4番として名声を得るという。「そうなればすごい。本物ですよ」。では、掛布SEAが理想とする阪神の4番は…。今季は主に糸井嘉男外野手が務めたが、「彼が1番か3番を打つようでないと、優勝はできない」と力説。その上で「外国人選手がどれだけ打てるか」と、契約が合意に達しているジェフリー・マルテ内野手(27)=前エンゼルス=をキーマンに挙げる。ただ当然、願うのは和製4番の台頭だ。

 「あとは大山の成長でしょうね。岡本くんのように我慢して使って、どれだけ数字を残せるかですよ」

 マルテか大山か、はたまた糸井か。いずれにせよ「後ろの打者が大事になる」と言う。

 「それが打線のつながりになるんですよ。広島はそのつながりがあったということだよね。鈴木誠也が4番として育ったのも。丸があそこまでの成績を残せたのも、鈴木誠也の存在なしには考えられない。それは山田哲にしたってそう。後ろにバレンティンがいるから。ONだって、山本浩二さん、衣笠さんもね。打線として後ろの打者が良ければ、前の打者が比較的楽…という表現は違うかもしれないけど、後ろの打者がいい流れを作る場合がある。岡本くんのように、後ろの打者が難しい側面もあるよね」

 大補強の巨人に、丸が抜けた3連覇中の広島…そして、最下位からの浮上を狙う阪神。掛布SEAが語る「4番論」から占う来シーズンも、また楽しみの1つではないだろうか。(デイリースポーツ・田中政行)

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