【野球】「倉敷の代表として」151キロ右腕・引地の願いは次のステージへ

 高校野球岡山大会は30日、創志学園の優勝で幕を閉じた。最速151キロの剛速球で注目を集めた倉敷商の引地秀一郎投手(3年)は、その創志学園に敗れ準決勝で敗退。「甲子園に出て、被災地・倉敷の代表として被災したみなさんに元気を届けたかった」と悔しがった。

 西日本豪雨で甚大な被害を受けた地元・倉敷市。同校野球部には、地区の約3割が水没して多くの犠牲者が出た真備町出身の選手もいる。幸い部員にけがはなかったが、避難生活を余儀なくされた選手は不安の中で夏の大会を迎えざるをえなかっただろう。

 豪雨被害により、大会自体も大きな影響を受けた。当初は3会場で行う予定だったが、倉敷市営球場が自衛隊や消防隊の災害対応拠点となったため使用できなくなり、急きょ2会場に日程を変更して行われた。

 思いもよらぬ混乱の中で始まった夏の大会。倉敷商ナインは「倉敷の代表として甲子園に行く」ことを目標に戦った。岡山南との初戦では、3安打1失点、13奪三振の快投に加え、1-1の九回に自らサヨナラ打を放った。順調に勝ち上がり、迎えた準決勝・創志学園戦。序盤から自己最速タイの151キロなど大台を連発する気迫の投球を見せたが、四回に相手4番打者に痛恨の被弾。六回にも1点を追加され0-2で敗れた。

 試合後、引地は卒業後の進路について「プロでやりたい」と語った。その力強い球とマウンド度胸は、ネット裏に集結したスカウト陣の評価も高い。今年1月に他界した同校OBの星野仙一氏を尊敬し、“星野2世”とも呼ばれる大型右腕。上のステージで剛速球を投げ込む姿を早く見てみたい。(デイリースポーツ・浜村博文)

関連ニュース

編集者のオススメ記事

オピニオンD最新ニュース

もっとみる

    ランキング

    主要ニュース

    リアルタイムランキング

    写真

    話題の写真ランキング

    注目トピックス