【野球】ソフトバンク石川 フォームと向き合い、2年目のジンクスと戦う

 同門対決は幻に終わった。

 4月26日のヤフオクドーム、ソフトバンクの先発は石川柊太。対する西武は十亀剣を立ててきたが、24日の北九州での試合が中止にならなければ、3月に阪神からトレード移籍した榎田大樹投手が今季2度目の先発マウンドに上がるはずだった。

 じつは今年1月、石川と榎田は一緒に福岡県内で自主トレを行っている。元々面識はなかったが、動作解析などに精通する鴻江寿治(こうのえ・ひさお)トレーナーが主宰する合宿で出会った。石川は昨年から同僚の千賀滉大に誘われる形で参加。一方の榎田は社会人時代から仲の良い楽天の美馬学からの紹介で今年初めて門を叩いた。

 この合宿に参加した投手たちはフォームが劇的に変わる。榎田は西武では先発を任され、今季初登板で白星を飾るなど輝きを取り戻しつつある。昨年8勝してブレイクした石川もまた、この合宿でプロ人生の転機をつかんだのだった。

「自分の体に合う、本来の投げ方を教わりました」

 ポイントは骨盤の向き。以前は千賀の投げ方を参考にしたが上手くいかなかったのは、それが真逆だからと指摘された。一からフォームを見直した結果、「どうしても高めにしか行かなかった球が、低めに伸びるようになりました」と振り返る。

“2年目のジンクス”と戦う今シーズン。ともすれば新球種の取得に欲を出しがちだが、石川はひたすら自分のフォームと向き合う。それが自分の原点だと強く認識しているからだ。

「昨シーズンの後半は疲れも出て、上半身が起き上がりすぎてフォームを崩してしまった。いい投げ方をしないと故障にも繋がる」

 鴻江トレーナーいわく「石川投手はその場ですぐメモをとるなど、とても勉強熱心。身体の強さも兼ね備えているので長く活躍できるタイプだと思います」。26日の西武戦は、強力打線を相手に8回3安打1失点。3勝目を挙げるとともに、防御率1.59はこの時点でパ・リーグ1位となった。

 故障者続出のソフトバンクにあって、石川がエース級の活躍を見せている。強い体と心でこの先どこまで数字を伸ばしていくのか、可能性は無限大だ。そして、この右腕もまた育成選手出身。やはりソフトバンクの底力はとてつもない。(デイリースポーツ特約記者・田尻耕太郎)

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