【スポーツ】真正ジム4人目の世界王者となるか 小西伶弥が世界初挑戦

 WBA世界ライトフライ級2位の小西伶弥(24)=真正=が3月18日に神戸ポートピアホテルで同級1位のカルロス・カニサレス(24)=ベネズエラ=と同級王座決定戦に挑む。13年8月のデビュー以来、小西は無敗街道を歩んできた。16戦目で巡って来た世界初挑戦に「世界戦が本番。良い試合も悪い試合も今までの試合はこのためにあった」と熱っぽく語った。

 昨年末にWBA、IBF統一王者となった田口良一(ワタナベ)がWBAスーパー王者に昇格し、空位となった正規王者の座を争う。小西は2度防衛後、日本ミニマム級王座を返上。一階級上のライトフライ級転向初戦が世界戦となった。拳を交えるカニサレスについて「接近戦も中間距離もアウトボクシングも全部できる」と警戒を強める。相手の戦績は19戦18勝1分け。唯一の引き分けは16年12月の田口戦で、小西とは無敗対決となる。「どちらかに負けが付く。絶対自分には付けたくない」と気合を入れた。

 5歳から空手を始め、中学時代は陸上にも励んだ。3年時には400メートルリレーの第2走者として県大会3位に貢献した。高校進学前に元世界3階級王者の長谷川穂積氏に憧れ真正ジムに入門。高校卒業後は簿記の専門学校に通いながら10種類以上の資格を取得した。

 スポーツインストラクターになるため就職活動も行ったが、ボクシングへの思いを断ち切れずプロ入りを決意。両親の反対に遭い「1カ月くらい口をきかなかった」と、当時を思い出して笑う。

 「努力すればするほど結果が出る、正直なスポーツ」とボクシングの魅力を語る。昨年10月に所属ジムがJR舞子駅近くに移転。早朝6時半から近くの砂浜で走り込んで足腰を鍛え抜き、持ち前のパンチ力と接近戦で押し負けない力強さに磨きを掛けた。

 一階級上げたことで減量苦が和らぐことも好材料となる。ミニマム級では前日計量の3、4日前には唾液も出なくなるほど苦しんだが、今回は調整も順調に進んでいる。

 日本王者にまで上り詰めたが「自分はいつまで経っても4回戦みたいなボクシング。正直ボクシングは上手くなってない。上手くなると信じてやっている」と、愚直に拳を磨く。19日から神戸合宿を開始した世界2階級王者で、フライ級に転向して3階級制覇を目指すWBO世界フライ級1位の田中恒成(畑中)とスパーリングを行うなど経験を積んでいる。実力は折り紙付きの難敵カニサレスを倒せば、自身が“本物”であることの証明となる。「僕としてはベルトより価値あることかもしれない」と闘志を隠さない。

 3月18日はWBO世界ミニマム級王者の山中竜也(22)=真正=も同級4位のモイセス・カジェロス(28)=メキシコ=と初防衛戦を行い、ダブル世界戦となる。真正ジムにとっては、長谷川穂積氏、久保隼、山中竜也に続く4人目の世界王者誕生の期待が掛かる。「必ず世界王者になる。仲良く2人でチャンピオンとして終われれば」。戴冠の時が待ち切れないように拳を握った。(デイリースポーツ・山本直弘)

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