【野球】ロッテ 現場、フロント一丸で最下位からの脱出図る

 ロッテは昨季を54勝87敗2分と断トツの最下位で終えた。最下位は6年ぶりとなるが、井口資仁新監督の下で再建を着々と進めている。メジャーで活躍した経験を下敷きに、いわゆる“井口流”の導入だ。1、2軍の春季合同キャンプはその最いたるものだが、フロントもまた現場へのバックアップとともに、改革を急いでいる。

 17年のZOZOマリンの観客動員数は145万164人。開幕から最下位に沈んだものの、16年に比べて約5%減で済んでいる。ロッテファンといえば“熱い”ことで知られるが、球団のファンサービスを始めとするさまざまな営業努力があればこそだ。

 ユニホーム配布デーの充実、また「マリンフェスタ」といったイベントの開催でファンと触れ合う機会を多く作っている。マリン名物の花火もファンには好評だ。SNSも活用。「謎の魚」もヒットしている。

 山室晋也球団社長は今季の“黒字化”を宣言している。これまでは親会社の支援もあって黒字化を達成してきた。今季は5%の観客減でも、「(昨年に比べ)売り上げ、利益も増した。今季は過去最高を更新したい。勝算はある」と本社の支援なしでの“快挙”に意欲的だ。

 「勝利こそが最高のファンサービス」との声もあるが、まずは球場に来て楽しんでもらいたい。この思いが他球団にはないファンサービスの原点。そのために必要なのは人材の確保だ。

 現在、ロッテは球団職員を積極的に募集しているが、新卒や経歴にはこだわらない。

 山室社長はこう話す。「いろいろな分野の多種多様な人材、その分野で一芸に秀でた方を採用したい。ファンに球場に来たら、こんな楽しみ方もあるのかといったもの(サービスの形態)をどんどん作ってほしい」

 実際、職員に募集してくるのは公務員からサラリーマン経験者、IT技術者らさまざまな分野からで、お笑い芸人もロッテの門をたたいている。

 お笑い芸人は採用が内定したものの、「本人の事情で辞退した」(山室社長)という。それでも昨年はTV番組のプロデューサー経験者を採用している。

 今季の有料ファンクラブ会員を昨年9月から募集していたが、12月段階で新規会員が前年比140%になった。井口効果に加えて、ドラフト1位・安田の加入もあるが、地道な営業努力とアイデアがファンを呼び込んでいる。

 公式戦入場者数が最下位のロッテだが、山室社長はファンサービスの一層の充実を図り、「160万人を目指したい」と目標を掲げている。それもフロントの頼もしい戦力があればこそだ。ロッテは現場との二人三脚で18年シーズンに臨む。(デイリースポーツ・菊地順一)

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