【野球】野球人口の裾野拡大につながる、日本高野連の若手指導者育成

 日本高野連が若手指導者育成を目的として開催する講習会「高校野球・甲子園塾」が今年も11月と12月に2度開催された。現在教員で原則10年未満の監督、部長らが対象。初日は大阪市内の中沢佐伯記念野球会館で座学が行われ、2日目、3日目はグラウンドで塾長の星稜総監督・山下智茂氏(72)らの実技指導が行われた。

 12月の第2回目には、今春センバツをもって退任した報徳学園の前監督・永田裕治氏(54)、昨春のセンバツを制した智弁学園・小坂将商監督(40)が講師を務めた。初日の座学では興味深い話が展開され、受講者はうなずき、ノートにペンを走らせていた。

 永田氏は「全員ノック」などで、部員の絆を重視して指導したことを伝えた。報徳学園は希望者全員が入部できるため技量の差はあるが、大人数でも同じメニューを行うことで結束力を強めてきたという。「遠回りかもしれないけど、みんなで苦しいことをした中で連帯感や絆を作りたかった」と熱弁した。

 さらに30代の頃は、休日に自腹で夜行バスに乗って東京へ向かったエピソードを披露。カプセルホテルに泊まって大学野球を勉強したり、進路のために人脈を作ったり、教え子のために動き回ったという。「(選手と向き合う)指導者も心が大切。目線を子供たちの目線へ持って行って、いい方向に誘導できるようにしてもらいたい」と受講者に訴えるように話しかけた。

 小坂監督は受講者から「公立が私立に勝つにはどうすればいいか」と質問を受けると、「僕が公立の監督であれば、まず投手に四球を出さないようなコントロールを身につけさせる。四球を出すと、エラーが絡むし、試合がぐちゃぐちゃになるので。打者には徹底して逆方向に打たせる練習をさせる。長打を求めず、単打とボール球を振らない練習をさせる」。ライバルになりかねない学校もいる中で、包み隠さずに私案を披露した。

 強豪校でも基本的なことを重要視している点も受講者の心に響いた。野球では「全力疾走」、「指示の声」、「カバーリング」を徹底。野球以外では指導者、部員で3カ月に1回、学校から最寄り駅までゴミ拾いをする。視野を広げることが目的で、「いろんな方向から歩いて、拾っていくことが野球への気づきにもつながっていく」と話した。

 「高校野球・甲子園塾」は2008年にスタートし、今年で10年目を迎えた。受講者は550人を超え、昨夏の甲子園では作新学院・小針崇宏監督(34)が受講者として初の全国制覇を達成した。

 小学生、中学生の野球離れが深刻化しているが、甲子園塾で魅力的な指導者が増え、野球人口の裾野拡大につながることを願っている。(デイリースポーツ・西岡 誠)

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