【競馬】その名の通り新たな世界を切り開く一口クラブ“ニューワールドレーシング”

 今や競馬界を席巻していると言っても過言ではない「一口クラブ」。馬主免許の資格がない一般のファンでも馬主気分が味わえることで好評を得ているが、近年は馬のクオリティーも圧倒的。とりわけ、社台グループはG1戦線でも主軸を形成しており、数多くの名馬を輩出してきた。

 この世界に新たに参入する「ニューワールドレーシング」が、12月中旬から募集開始を予定している。立ち上げたのは「ハナズ」の冠で知られるマイケル・タバート氏。これまでにない新たな試みを詰め込んだ一口クラブだ。

 募集口数は40口という大口のスタイル。ただ庶民には優しい会費無料、そして個人馬主と同じように賞金を全額還元(通常のクラブは手数料を引くケースが多い)と、金銭的なメリットを前面に打ち出している。他にも愛馬の情報を毎日更新するなど、会員と一体感を味わえるようなシステムが満載。詳細は12月中旬にリニューアルするホームページをご覧いただきたい。

 ファンにとってはやはりラインアップも気になるところだろう。先日発表された8頭を見て、その個性には驚くばかりである。8頭のうち、なんとフランケル産駒が2頭。クイーンオブスペイン16(牡、栗東・池江泰寿厩舎)が総額1億4000万円、ナウシカ16(牝、栗東・矢作芳人厩舎)が同1億2000万円。ともに庶民には厳しい価格設定となるが、クラブとして注目を集めるには十分な効果があるだろう。両馬とも外国産。海外人脈の豊富なタバート氏だからこそ可能だった目玉商品と思える。

 そして他の6頭はいずれも日高地方の生産。もともと「日高地方の活性化」をコンセプトに掲げており、自ら牧場を回ってセレクトした厳選の6頭だ。父はディープインパクトやオルフェーヴル、ルーラーシップといった注目のサイアー。全体的な価格設定も高い印象はなく、前述した会費や賞金面の恩恵を考えれば、お買い得な部類と感じる。

 「一体感」を重視するタバート氏は今後、都内にレストランも開く予定だという。日高地方の食材を海外から呼んだシェフが調理し、高級料理を存分に提供する。こちらは会員になれば格安で食事できる上、人脈を駆使して競馬関係者を集い、定期的にイベントを企画する予定だ。「仲間内で競馬を楽しめるような、そんなクラブにしたい」。名前通り、「新世界」の一口クラブがどのようなスタートを切るのか、注目していきたい。(デイリースポーツ・豊島俊介)

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