【野球】3年越しの夢かなえたDeNAドラ2・神里 社会人生活で芽生えた自覚

 ついに憧れのプロへの一歩を踏み出した。社会人野球の日本生命・神里和毅外野手(23)が、今秋ドラフトでDeNAから2位指名を受けた。中大4年時は指名漏れで悔しい思いを味わっただけに、3年越しに悲願がかなった。

 社会人野球の3大大会と呼ばれる日本選手権の決勝が11月12日に行われた。優勝へあと一歩及ばなかったが準優勝という輝かしい成績を残し、名門野球部を“卒業”する。「会社の応援してくれる人たちのためにもやらないといけない、と打席でも粘りが出るようになりました」。自身を成長させてくれた環境に感謝した。

 大阪を本拠地とする日本生命。沖縄出身の神里にとっては初めての関西生活だった。「友達もいなくて…」と入寮時はどこか不安そうな表情を浮かべていた。入社当時は千里山にあったグラウンドも、昨年の12月に貝塚に移転。“引っ越し”も経験し、2年という歳月の中で仲間や他チームとの交流も増えた。「今は楽しんでいます」と充実ぶりをうかがわせた。

 心にも変化があった。「余裕が生まれたからだと思います。慣れてきて、レギュラーとして引っ張っていかないと、という自覚が生まれた」。チームでは1番打者を務め、リードオフマンとして打線をけん引。積極的な走塁も持ち味で神里が塁に出れば得点できる、と不思議と安心感をもたらしてくれる。

 中大時代は主将を務めた。もちろん当時もチームの顔としての責任感があったのは間違いない。だが社会人野球を経験して、その重みが一段と増した。「一発勝負なので負けたら終わり。1球の重み、大事さがよりわかりました」。言葉にも熱がこもった。

 大学からさらにレベルアップした世界で、なおかつ会社の看板を背負う。名門野球部の応援席はいつも真っ赤に染まるほどだ。だからこそ、より勝ちにこだわった。「負けた時、応援して下さっている会社の皆さんの表情を見て、勝たないといけないと強く感じた」。その表情は2年前とは大きく変わっていた。

 同世代の多くがプロでも活躍している。チームメートになる今永は今季11勝をあげ、桑原はセ・リーグの外野手部門で自身初となるゴールデングラブ賞を獲得。2人は共に世代の日の丸を背負う。同じ東都リーグでしのぎを削ったライバルもいるが「同い年ですし、負けたくないですね」とキッパリ。神里のスタンドを沸かせる活躍に期待したい。(デイリースポーツ・疋田有佳里)

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