【野球】145キロで真っ向勝負の強心臓 オリックス近藤大亮の魅力
オリックスのホームゲーム。八回にTUBEの「WINNERS HIGH」が流れると大きな拍手が沸く。プロ2年目、若きセットアッパー・近藤大亮(たいすけ)の登場だ。お気に入りの歌を口ずさみながら投球練習を行い、気持ちを盛り上げて打者に向かうのがルーティン。
登板するたびに歓声のボリュームがアップするようになった。その魅力は真っ向勝負の投球スタイルにある。150キロ超を連発するわけではない。球速こそ140キロ中盤だが、伸びのある球は打者の手元で伸びるため空振りを取れる。今季39試合に登板し、40回2/3で49奪三振とイニング数を上回る奪三振数。49三振の内、決め球の割合はストレートが34、スライダー8、フォーク7(データ提供は共同通信デジタル)という数字を見ても直球の威力が分かる。
加えてマウンド度胸も2年目とは思えない強心臓ぶりを見せる。ある試合で先頭打者にストレートの四球を出すなど6球連続でボール。ベンチから慌てて平井投手コーチがマウンドに向かった。
「どうしたんや?」
心配顔のコーチに「僕もわかりません」と返した。ここから開き直って後続を斬り無失点で切り抜けた。
「もう、どうにでもなれって投げたら抑えてましたね。たまたまだと思いますけど」
三者凡退で終わるケースはほとんどない。走者を出して、ハラハラする展開にしながらも抑える。ドキドキのあとの解放感がファンを魅了している要因なのかもしれない。
こんな右腕には夢がある。あこがれのTUBEと対面することだ。両親の影響もあり、子供の頃からの大ファン。甲子園で行われていた野外ライブには毎年参加。中学生の時には学校を休んでハワイで行われたライブに行ったこともある。
「成績を残して本物に会ってみたいんです」
入団時から口にしてきた。実はその思いはすでにTUBEのメンバーに伝わっている。昨年、関係者を通じて一枚の色紙が届けられた。そこにはメンバーのサインとともに「いつか会う日はとびっきりの笑顔で!」のメッセージが記されていた。
「その言葉は歌詞のフレーズにあるんです。めっちゃ、うれしかったです」
ルーキーだった昨年は開幕2戦目の先発に抜てきされながら右肩痛を発症し、シーズンを棒に振った。今季も開幕ローテ候補に挙げられながらオープン戦中に右肩痛のため離脱。その後はリリーフとして再起を目指し、敗戦処理から1軍に昇格。そこからリードした展開での六回、七回、そしてセットアッパーとポジションをあげてきた。投げるたびに夢に近づいている。
現在1勝15ホールド(29日現在)。あこがれの人に会うために、ストレートを投げ込んでいく。(デイリースポーツ・達野淳司)



