【ゴルフ】葭葉ルミの飛距離が伸びた理由 全米女子オープン・ドライビングディスタンス1位

 女子プロゴルファー・葭葉ルミ(24)=富士住建=のドライバー飛距離が今季大幅に伸びている。先々週のニッポンハムレディース終了時点のドライビングディスタンスは約270ヤードで1位。さらに先週の全米女子オープンでは優勝したパク・ソンヒョン、レクシー・トンプソンらロングヒッターを抑え、256・59ヤードで堂々の大会1位に君臨した。では、どうして昨季に比べ最大30ヤードもの飛距離アップに成功できたのか?オジサンゴルファーなら誰でも知りたい飛ばしのエッセンスを葭葉本人に語ってもらった。

 -本当に飛んでますね。ニッポンハムレディースの時、ティーグラウンドの近くで見ていたら、インパクトの衝撃、ボールが飛び出す勢いがすごい。ホールによっては、ランも大げさでなく50ヤードくらい出ていた。同組のイ・ミニョンはランが5ヤードくらいだったのに。

 葭葉「今年から用具契約がフリーになったことが大きいです。オフに飛ばしやという選手が使っているクラブは、ほとんど全部自分で買って試しました。その中で今使っているクレイジーのヘッドとシャフトに行き当たったんです。この組み合わせが私にピタリと合ったみたい」

 -クレイジーでは過去にアルバイトをしていた経験があるそうですね。

 「はい、高校を卒業したてのころにショップで。その関係もあって最初からクレイジーがいいという感覚はあったんですけど、いろいろ試していった中で、やはりそうだったという感じです」

 -スイングも変えたと聞きました。

 「そうなんです。ヘッドをテークバックの位置からフィニッシュの位置まで速く振るイメージです。この時、大事なのは手を速く動かすのではなくて、ヘッドを速く動かすことです。ヘッドの移動距離が、例えば肩口から肩口までとすれば、そこを移動する時間が短ければ短いほど、ヘッドスピードが速くなる原理です」

 -今、ヘッドスピードはどのくらいですか?

 「MAX49(メートル/秒)くらいです。試合ではそこまでは振れませんから、47~46(メートル/秒)ですね」

 -それは素晴らしい。そこまで飛距離が伸びると、コースが簡単に見えるでしょう?

 「確かに。去年までと同じコースに行っても、セカンドショットの位置から見える景色が違います。2番手くらいは小さいクラブでグリーンを狙っていけるので、ゴルフが変わりました」

 -今季開幕戦からはいている新シューズも、飛距離アップに貢献しているそうですね。

 「契約しているナイキの『ルナコントロール ヴェイパー』というシューズなんですけど、独特のアウトソールのグリップ力がすごいんです。インソールも、足に柔らかくフィットするので、疲労が少なくて安定感が抜群なんです。だから、思い切り振っても軸がブレないので、ボールが暴れない。随分と感謝しています」

 -筋力トレーニングも取り入れているそうですが、やはり体幹とか背筋を鍛えているんですか?

 「もちろん、体幹や背筋は大事ですが、私は腕の筋肉を鍛えるようにしました。クラブを振るのは腕だからという考えですね」

 こう話を聞いてくると、私たちアマチュアにもまねができそうな気になってくる。例えば、各メーカーなどのフィッティングを1社だけではなく、納得するまで何社でも受けて、根気よく自分に合った道具を探し当て、シューズなどの“バイプレーヤー”も真剣に選んだらどうだろう。もちろん、自分なりに飛距離の出るイングを完成させ、それを磨くという“永遠の仮題”を克服することが前提になるが(これが一番難しい!?)、葭葉のように、夢の飛距離を手に入れることができるかもしれない。(デイリースポーツ・松本一之)

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