【サッカー】辞任騒動の浦和ペトロビッチ監督 高い選手からの支持率

 サッカー界は7月に入ってJ1浦和のミハイロ・ペトロビッチ監督(59)の辞任騒動が大きな話題となった。1-4で惨敗した5日の川崎戦終了直後、2度にわたってサポーターとの深夜の話し合いの場に立った。失速状態にあるチーム状態に対して、サポーターから“不信任”を突きつけられた格好だ。「新潟戦から連勝できなければ、一番にこのクラブを去ろう」。サポーターの前で大見得を切ったことが発端だった。

 6日早朝、浦和ホームページ上に「ミシャ監督を支え(中略)タイトル争いに食い込んでいけるよう、全力をつくします」と淵田社長のメッセージが掲載された。クラブの“信任”を得て臨んだ9日の新潟戦で逆転勝利。するとペトロビッチ監督は「あれ(辞任発言)はクラブの人にかかる圧力を自分に向けるための発言」と、なかったことにしてしまったのがここまでの流れだ。

 騒動の中で、1つ気付いたことがある。チーム内におけるペトロビッチ監督の“支持率”の高さだった。

 DF槙野智章は「監督が責任を取ると言ったけど、プレーをするのは僕たち。個人的にもこのクラブに、監督が呼んでくれた。今こそ監督を助けるのも、クラブを助けるのも僕たち」と熱く語った。

 GK西川周作は「監督がサポーターの前に出て行くことで自分たちを守ってくれたと思う。プレーしている以上、自分たちに責任があることを強く感じて、ピッチの上で恩返ししないといけない」と神妙な表情だった。

 DF宇賀神友弥は「監督にそういうことを言わてしまったことが悔しい。今のこの状況を変えるのは自分たち。監督より、自分たちがやらないと。監督から言われる前に自分たちでやる。それにオプションをつけるのが監督」と険しい表情を見せていた。

 ペトロビッチ監督の発言は、新潟戦を境に大きく変化を見せた。

 6月25日、鳥栖に敗れて3連敗を喫して「欧州なら、浦和のようなチームを率いて3連敗したら、交代するのかと聞かれる」。

 1日の広島戦後の広島・森保監督の退任の一報に「あすはわが身と思って、心配して仕事をしなければいけない」。

 5日の川崎戦後の後の会見では「クラブも何かを考えている状況かもしれない。それもサッカーの世界」。この後、サポーターに囲まれて辞任発言が出た。

 見事に自虐的な言葉を並べていたのだ。新潟戦後は強気に転じた。

 「誰かが私を浦和から去らせるとしたら、見ている人でもメディアでもなく唯一クラブの人」と辞任する意思がないことを強調。「このクラブで10年仕事をする気持ちでいる」。「このクラブの方々の強い信頼を得て仕事をしている」。

 クラブからの信任と、選手からの高支持率を再確認したことが、強気の発言に結びついているのだろうか。ひとつ、忘れてはならないことは、まだ、最下位・新潟に1つ勝っただけだということ。サポーターからの支持率が回復するかどうかは、今後の結果次第なのだ。(デイリースポーツ・鈴木創太)

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