【サッカー】首位・浦和の“死角” 敗戦に指揮官が指摘した不安 「気温」と「疲労」

 目を疑う結果だった。同格であるべきJ1同士の戦いではあるが、ジャイアントキリングと言っていいだろう。4月30日、NACK5スタジアムで行われた最下位・大宮と首位・浦和による“さいたまダービー”は1-0で大宮が“下克上”を起こした。

 もし予想するなら、浦和が負ける要素は0だった。浦和は開幕戦で敗れて以降は無敗。その間のリーグ戦1試合平均3得点はJリーグトップ。16年6月15日のG大阪戦以来、Jリーグ28試合、ルヴァン杯、ACLも含めると41試合連続得点していた。今季のACL5戦18得点も出場全チーム中トップ。日本どころか、アジア随一の得点力を誇っていた。

 一方の大宮は、それまでのチーム総得点はたったの2。失点17は、浦和戦で7失点した仙台の18に次いで多かった。totoも浦和の勝利に投票した83・22%はその日の全対象カード中、最も高い得票率で、大宮の7・82%は最も低い投票率だった。

 29日の前日会見で、浦和のミハエロ・ペトロビッチ監督は警戒する言葉を並べていた。

 「どの国の、どのリーグの、どの街でも、ダービーというのは難しい」

 「ダービーというのはそれまでの順位、チームの状況は関係ない。お互いのチームの感情、思いがぶつかり合う」

 その不安が的中した形になった。

 試合後、指揮官はこう話している。

 「負けは負けでも、ダービーの負けは普通の負けより非常に痛い」

 「予想していた通り、大宮は守備的な戦略の中、走り、戦うことを強調してやってきました」

 「われわれは、疲労の影響なのか、気温が高いせいなのか、運動量と多くの動きの連動性、キレの部分をなかなか出せないまま、試合が進んでしまったと思います」

 敗因に大宮の、浦和の攻撃力を封じた戦略があり。大宮の選手の個々の奮闘があったことは言うまでもない。ただ、ペトロビッチ監督の言葉の中に。今後の不安材料が垣間見えた。敗因の可能性として挙げた「疲労」と「高い気温」。この2点だ。

 振り返ると、昨季は気温の上昇とともに調子を落とした。6月に鹿島、G大阪、広島と3連敗を喫し、第1ステージの優勝争いから脱落した。8月にも川崎、神戸に2連敗を喫している。15年シーズンも7月に広島、名古屋に連敗するなど4戦連続勝ち星を逃し、第2ステージのスタートダッシュに失敗した。

 14年シーズンは、8月20日に天皇杯で草津に敗戦。9月にはナビスコ杯で新潟に苦杯をなめた。リーグ戦は9月27日の第26節以降、2勝3分4敗と完全にガス欠。第19節から守ってきた首位の座を33節で明け渡し、2位でシーズンを終えた。

 ペトロビッチ監督は開幕前に「目標は全てのタイトル」と宣言した。今季は開幕から過酷なスケジュールを、選手をやりくりしながらこなし、結果を残してきた。それでも大宮戦で自身が指摘した「暑さ」は、これから本格化し、同時に「疲労」は蓄積される。

 大願は、過去に悩まされてきた2つの課題を乗り越えたとき、はっきりと見えてくる。(デイリースポーツ・鈴木創太)

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