【競馬】復活した桜の女王ドンキ “負けん気”を武器に再度のG1獲りへ

 真っ先にゴール板を駆け抜けた瞬間、惜敗続きにピリオドが打たれた。18日の京都牝馬Sを制したレッツゴードンキ。レース後、梅田調教師が自他の厩舎を問わず、多くの関係者から「おめでとう」と祝福されていたのだが印象的だった。

 15年の桜花賞以来、久々に味わう美酒は、ドンキに携わる人々にとって実に感慨深いものであっただろう。元女性ジョッキーの前原(旧姓・西原)助手もその一人だ。「力落ちの感はなかったし、かみ合っていないだけだったので。かみ合ってくれてスッキリしました」と会心の勝利を振り返る。

 馬自体のコンディションは万全だった。中間の2月8日に栗東坂路でマークした4F50秒0は自己ベスト。ハードな攻め馬を重ねつつも、レース当日の馬体重502キロは、前走時よりプラス10キロだった。「あれだけ攻め馬をしてのプラス体重でしたからね。(馬体に)張りが出て背も伸びましたね」と同助手は目にも明らかな成長ぶりを実感する。

 昨年は函館スプリングS、キーンランドCでともに0秒2差の3着。ターコイズSでも僅差の2着と善戦するなど、重賞2勝目まであと一歩の内容が続いていた。3走前には初ダートとなったJBCレディクラシックでも2着と健闘した。「芝、ダートにこだわりはなくて。選択肢が広がるし、活躍して結果を出してくれたら」と声を弾ませる。

 桜花賞を制したことで、早熟だという見方もあったかもしれない。だが異父兄のマルトクスパートは5、6歳時に地方で4連勝を決め、中央5勝の母マルトクも6歳でVを挙げるなど、奥手の血統だという見方もできるだろう。

 この馬の最大の魅力は何か。「“負けん気”ですかね。今も変わらず引っ掛かりますし、課題でもあるんですけど。でも必要なものだと思います。“闘争心”は一番の長所ですね。これからも楽しみです」と前原助手は笑顔で答えてくれた。

 春の大目標にヴィクトリアマイル(5月14日・東京)を見据えるドンキは、今後も自慢の“負けん気”を前面に押し出し、牝馬路線を大いに盛り上げてくれることだろう。(デイリースポーツ・向 亮祐)

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