【相撲】新入幕・宇良の乗り越えなくてはいけない3つの課題とは

 大相撲春場所(3月12日初日、エディオンアリーナ大阪)で初土俵から所要12場所での新入幕が確実な人気力士・宇良(24)=木瀬部屋=は幕内でも活躍できるのか、はたまたカベにぶち当たってしまうのか。日本相撲協会審判部副部長の友綱親方(元関脇魁輝)が将来の幕内定着、新三役昇進へ向け、乗り越えなくてはいけない3つの課題を指摘した。

 1つ目は取り口の進化・修正。宇良は強い体幹を生かしたスピーディーな動きが武器で、相手の意表を突く動きや反り技もあり、幕内でも十分に土俵を沸かせてくれそうだが、友綱親方はまだもの足りないという。

 「幕内では立ち合いで受け身に回ることなく、自分で攻めていく最初の1歩が大事になってくる。十両までは一見攻めているように見える相撲だったが、実は最初から相手を受ける形、防御の形で立っていた。幕内ではその形では通用しないので、自分から1歩踏み込んで中へ入る立ち合いに変えていかないと苦しいだろう」

 2つ目は同じタイプで先に入幕を果たし、昨年九州場所では10勝を挙げる活躍を見せた石浦の残像を振り払うことだ。

 「幕内力士の面々は既に石浦との対戦経験があるから、小さくて動きが速い力士への予備知識を持っている。言い方を換えれば、石浦を相手に宇良戦のリハーサルを済ませているわけ。この状況は不利だよね。石浦以上に立ち合いで踏み込み、周囲があれっと思うくらいに自分から相手の中に入っていけば、幕内力士が持っていた予備知識が崩れていくと思う」

 3つ目は体が大きくて重い幕内力士との対戦で受ける疲労をどれだけ少なくできるか。十両時代のように頭を下げて耐えるような相撲では、幕内の大きい力士に上から圧力をかけられたら、いかに体幹が強い宇良といえども、体が悲鳴を上げるのは目に見えている。

 「十両の時のような相撲では幕内で15日間を乗りきるのは難しいでしょう。やはり相手に下を向いた頭の付け方をすると、動きが小さくなってしまうし、体が大きい人にはつぶされてしまう。小兵の名力士だった鷲羽山や北瀬海のように相手の胸や肩、体の横におでこをくっつけていく相撲を目指してほしい。そうすれば、相手の方がやりにくくなる」

 辛口の友綱親方だが、期待のホープであればこそ。最後は大きな期待を口にした。

 「宇良のような体の小さい人が活躍することが、一般の人に一番相撲の面白さを分かっていただける。私が話したことを目指しながら、思い切り暴れてほしい」

 飛躍の春になるか-。(デイリースポーツ・松本一之)

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