【ライフ】内定IPPON!?大喜利就活 過去には『麻雀就活』も

 笑いをとれば内定IPPONー!?。そんなウソのような就職活動が大阪・梅田で開催された。その名も『大喜利インターン』。参加した学生は同志社大学、関西学院大学、近畿大学、大阪経済大学など四年制大学の3回生。例えばお題は「あ、こいつ勝つ気ないなぁ。どんなボクサー?」

「ロードワークの途中必ずマクドに寄ってしまう」

「サンドバックの主成分が主にコンニャク」

「代々木ゼミナール所属」

「前日の睡眠不足を自慢してくる」

 大喜利初体験とは思えない、熱い回答の応酬は某テレビ番組のよう。「天丼」や「かぶせ」といったテクニックまで飛び出し、さらには企業の採用担当者まで大喜利に参加。大賑わいとなったあとの交流会は、およそ就活とは思えない和気あいあいとした時間となった。1に緊張、2に緊張。そんな就活のことを思えば、場が温まるだけでも効果は十分。だがそれ以外にも注目すべき要素が多くある。

 思いついた答えを発表する積極性。周りの空気を読む洞察力。様々な角度から物事を見れる発想力。正解にいち早く辿り着く瞬発力。スベっても落ち込まず次に挑む精神力。「大喜利には社会人に必要な要素が詰まっているんです」と運営するカケハシスカイソリューションズの山崎美奈子さんは説明する。

 実際、企業側に訊くと「いろいろな企画を提案していく仕事なので発想力重視。そのうえで大喜利の合間に見せる学生さんの表情を特に見ていました」とゴルフ場の集客・運営を手がける株式会社ダイレクトの山本沙和さん。パチンコ事業を柱とする株式会社晃商の辻優奈さんは「どんなことでも楽しいと思える人」と各社の社風ごとにポイントを整理して見ていた。

 株式会社トーコーの川東伸吉さんは「採用する側にとっても、面接に向けて準備万端バッチリ仕上げた学生を、限られた時間の中で見極めるのは正直難しい。大喜利だと学生の素の姿が見られるのが一番大きい」と大歓迎。「さらにいうなら、大規模なイベントだと学生さんも安定志向で大手企業ばかりに目がいくので、名の知れてない企業は太刀打ちできません。ここではじっくり話ができます」と企業側のメリットを説明してくれた。

 同社は過去にも『麻雀就活』や『ご指名NO.1採用』などユニークなイベントを開催してきた。例えば麻雀就活はある社長の「麻雀が強いやつは仕事ができる」という発言に着想を得た。『ご指名NO.1採用』は、普通の職活なら絶対言えないだろう、キャバクラで指名NO.1の女の子は仕事ができるはずと企画された。今回の『大喜利』は、元お笑い芸人の社員が発案。企業が人材に求める不動の1位はコミュ二ケーション能力ー「お笑いこそ最高のコミュニケーションだ」というわけだ。

 今回はまだインターン期間中だったが、今後も随時開催予定。参加した学生は一様に「楽しかった」「自信になった」と手応えがあった様子。あまりにウケて、うっかりお笑い芸人を目指す心配以外は、実に理にかなった個性派就活。企業も学生も要チェックだ。(デイリースポーツ・百瀬 啓太)

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