【ライフ】攻め続ける老舗駅弁会社、ヒットの秘けつとは

 こちらは「ひっぱりだこ飯」(淡路屋提供)
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 気付けばもう12月中旬、そろそろ帰省の準備が本格化するころ。新幹線や電車を利用するときに、やっぱり駅弁が欠かせない!という人も少なくないだろう。全国に多くの駅弁がある中、常に“攻めの姿勢”でユニークな新作を生み続けているのが、神戸の駅弁会社「淡路屋」だ。革新的なアイデアの秘密を探った。

 諸説あるものの、“駅弁発祥の地”とされる神戸。その地で、1903年創業、1世紀にも及ぶ歴史を誇る淡路屋は、伝統を守っていきながらも、進化することも恐れない。日本初の加熱式容器の駅弁や、ワインボトル入りの駅弁などユニークな発想を数々打ち出してきた。駅弁以外の商品も含めると、1年で平均15~20品を開発。今年も業界屈指のハイペースで20品ほどの新作が誕生した。直近では、11月29日(いい肉の日)に発売された「あっちっち但馬牛すきやき弁当」。前述の加熱式容器を採用して大ヒットした「あっちっちすきやき弁当」をグレードアップさせた。兵庫を代表するブランド牛「但馬牛」をぜいたくにも100%使い、米やたまごも兵庫県認証のものにリニューアル。“地のものが味わえる”駅弁ならではの楽しみが詰まった一品に仕上がっている。さらに今月1日からの期間限定商品「神戸夜景弁当」も好評だ。12日まで開催された神戸の冬の風物詩「ルミナリエ」と“初コラボ”。美しい光の芸術を、イクラ、タコ、エビなどの海鮮ちらし寿司で表現した。人気の高さゆえ、「神戸夜景弁当」をベースにした新作駅弁も構想中だという。

 次々と話題を呼ぶ新作駅弁を作り続ける秘けつはどこにあるのか。企画会議を念入りにしているのでは?という安易な問いに、「そういうわけではなく、私が考えています」と仰天の答えを返したのは、同社統括部次長の柳本雄基さん。社長などのアイデアで動き出すこともたびたびあるものの、基本的には柳本さんがほとんどの新作を企画しているそう。さらに驚くべきは、企画から発売までのスピード感だ。昨年発売の「新幹線:エヴァンゲリオンプロジェクト弁当」もその1つ。JR西日本が「新幹線:エヴァンゲリオンプロジェクト」を昨年7月に発表するやいなや、柳本さんもすぐさま始動。駅弁の容器を発注している陶器工場に連絡し、“エヴァ新幹線”を模したデザインの製作を依頼した。なんと、JR西日本へ話を持ち掛けたのは、その後のこと。強気の“見切り発車”が奏功し、“エヴァ新幹線”運行開始日の11月7日に合わせたコラボ駅弁の発売にこぎつけた。その間わずか4か月ほど。「普通ではなかなかない早さだと思います」と、柳本さんもしたり顔だ。もちろん早さだけでなく、内容にもこだわっている。「エヴァンゲリオン」作中でカギとなっている「親子関係」をイメージしてサケのはらこ丼に。ファンもクスリとしてしまうようなネタを仕掛け、人気を集めた。

 すでに来年に向けて、新作の構想も動き出している。2017年は、神戸港開港150年のアニバーサリー。地元を盛り上げようと、記念弁当を発売予定だ。どんどん増えていく豊富なラインナップに迷うこと必至だが、帰省のお供に、おみやげに、駅弁は最適だろう。(デイリースポーツ・佐藤敬久)

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