坂本花織の原点に触れることができた25年10月全兵庫選手権 五輪表彰台でも変わらない笑顔がそこにあった
「ミラノ・コルティナ五輪・フィギュアスケート女子・フリー」(19日、ミラノ・アイススケートアリーナ)
女子フリーが行われ、今季限りでの現役引退を表明している坂本花織(25)=シスメックス=は、ショートプログラム(SP)、フリーともに2位の合計224・90点で銀メダルを獲得した。個人では前回北京五輪の「銅」に続く表彰台で、同競技では鍵山優真に並ぶ日本勢最多の通算メダル4個とした。今後は指導者として、自身が成し遂げられなかった金メダリスト育成に励む。SP首位の中井亜美(17)=TOKIOインカラミ=が219・16点で銅。世界女王のアリサ・リュウ(20)=米国=が226・79点でSP3位から逆転し、金メダルに輝いた。
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いつでもどこでも感情表現豊かな坂本だが、地元の競技会でその原点に触れることができた。昨年10月、兵庫県尼崎市での全兵庫選手権。フリー直前、幼児の泣き声が会場に響いた。リンク脇の坂本が客席に手を振り、話しかける。ほどなく泣き声はやんだ。
さすが坂本さんやな、リンクから子どもをあやせるのか…と感心したところ、1位で演技を終えた坂本が競技後「泣いていたのは私のおいっ子です」と告白。姉2人にそれぞれ子どもがおり、幼いおい2人とめい2人が元気の源だという。「(上の子は)名前を呼んでくれるようになり、テレビCMで私が一瞬でも映ると『かおちゃーん』と言ってくれる。認識してくれているわーって」と目尻を下げ「“叔母活”に励んでおります」と、ほほえましい逸話を明かした。
前週フランス大会を終えて帰国後、時差ぼけも抜けきらぬ中で出場。しかし疲れた顔も見せずに一人一人と話し、写真を撮り、見送った。「知っている顔しかいないのである意味、全兵庫が一番緊張する。世界選手権と同レベルくらい。ホームだからこそしっかりやらないといけない緊張感があった」。五輪の表彰台に上がっても、変わらない笑顔がそこにあった。
今大会もチームの中心に立ち、懸命に励ます姿が反響を呼んだ。競技引退後は指導者を目指すという。底抜けの明るさで日本フィギュア界の未来を照らしていくだろう。(デイリースポーツ・24、25年フィギュア担当・中野裕美子)
