集大成前でも後輩への気配り忘れない坂本花織 底抜けの明るさで日本代表を引っ張る姿の頼もしさ
「ミラノ・コルティナ五輪・フィギュアスケート女子・フリー」(19日、ミラノ・アイススケートアリーナ)
女子フリーが行われ、今季限りでの現役引退を表明している坂本花織(25)=シスメックス=は、ショートプログラム(SP)、フリーともに2位の合計224・90点で銀メダルを獲得した。個人では前回北京五輪の「銅」に続く表彰台で、同競技では鍵山優真に並ぶ日本勢最多の通算メダル4個とした。今後は指導者として、自身が成し遂げられなかった金メダリスト育成に励む。SP首位の中井亜美(17)=TOKIOインカラミ=が219・16点で銅。世界女王のアリサ・リュウ(20)=米国=が226・79点でSP3位から逆転し、金メダルに輝いた。
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天真らんまん。ありふれた言葉だが、どの言葉よりも坂本に似合う。坂本について取材をすると、全員が口をそろえて、その言葉を使った。先頭に立ち、底抜けの明るさで日本代表を引っ張る姿は、後輩にとってとても頼もしかっただろう。
小さい頃は、進んで前に出るタイプではなく、むしろ泣き虫だったという。今でも泣き虫の一端はチラホラ。団体戦ではチームメートの演技に毎回感涙。いつも仲間思いで、「リンクサイドでみんなが見守ってくれるのが好き」と自分も力に変えてきた。
フィギュアスケート女子代表では最年長。初出場の中井や千葉には、「持ってきた方が良いものリスト」を連絡したという。集大成とする大会への調整は大変であるはずだが、後輩への気配りは忘れない。チームの誰もが「かおちゃん」と坂本を慕っていた。
この日の演技終了時点で金メダルを逃し、坂本自身も悔し涙があふれていた。しかし、表彰台に乗ることができず涙を流す千葉を優しく抱き寄せ、なぐさめた。
そんな坂本の姿勢を、渚中時代に担任だった関口清香先生は、道徳の教材にして生徒に伝えている。「着飾っているわけでもなく偉そうにするわけでもない。裏表がなくて、一生懸命に頑張る」。活躍するステージが変わっても、いつまでも変わらない坂本がみんな大好きだった。(デイリースポーツ・25年~フィギュア担当・南 香穂)
