ノルディック複合 ラスト五輪の渡部暁斗は19位「正直悔しかった」最後は観客の声援に頭を下げて「感謝」のゴール
「ミラノ・コルティナ五輪・ノルディックスキー複合男子個人ラージヒル」(17日、プレダッツォ・ジャンプ競技場&テーゼロ距離競技場)
今季限りで引退する渡部暁斗(37)=北野建設=は、五輪最後の個人種目で19位でゴールした。
前半のジャンプでは19位。距離では粘りの滑りを見せ、最後は観客の声援に手を振り、頭を下げてゴールした。レースを終え、「応援にきてくれた方もいましたし、最後の姿を見ていただいたので、感謝の気持ちを伝える意味でも手を振ってゴールしました」とうなずいた。
6大会連続で最後の夢舞台。14年ソチ五輪、18年平昌五輪の個人ノーマルヒルでは銀メダルを獲得した第一人者は、昨年10月に引退表明会見で「金メダルを取るという強い気持ちを持って最後のシーズンに臨みたい」と、初の頂点へ決意をにじませていた。
W杯初出場の2006年から7300日の競技人生。「一番の思い出」という2012年に挙げたW杯初勝利と同会場で行われる“ラスト五輪”に「不思議な巡り合わせを感じている。奇跡を起こしたい」と実感を込める。
大きな刺激も受けた。同じ北野建設所属のジャンプ女子の丸山希(27)が銅メダルを獲得。部屋で観戦した渡部は「心の燃えるものをともしてくれたし、勇気をもらえた」と闘志を燃やす。「桜を咲かせるつもりで、みなさんと一緒に泣いて終われる五輪にしたい」と誓っていた。
結果的に、理想通りのレースにはならなかった。「正直悔しかった。精いっぱい走りましたし、最後まで自分の競技人生を見届けていただけて嬉しく思います」。表彰台には上がれなかったが、表情には充実感もにじんでいた。
◆渡部暁斗(わたべ・あきと)1988年5月26日、長野県出身。98年長野五輪のジャンプを会場で観戦して小学4年でジャンプを始め、中学1年から複合に取り組んだ。06年トリノから五輪6大会連続出場。14年ソチ、18年平昌で個人ノーマルヒル銀メダル。22年北京五輪ではラージヒル個人・団体それぞれで銅メダル。173センチ、60キロ。
