坂本ド緊張…悔しフリー5位で団体5位 初舞台苦手「個人戦へ締め直す」

 「平昌五輪・フィギュアスケート団体・女子フリー」(12日、江陵アイスアリーナ)

 団体は上位5チームによるフリーが行われ、女子で坂本花織(17)=シスメックス=は5位となった。冒頭の3回転フリップで回転不足を取られて131・91点だった。日本は順位点の合計50点で2大会連続の5位。坂本は今後、21日のショートプログラム(SP)、23日のフリーに臨む。

 感じたことのない緊張が、坂本自慢の足を棒にした。冒頭のフリップ-トーループの連続3回転は単発に。その後は別のジャンプを連続技にするなどミスを最小限に抑えはしたが、勢いはつけきれなかった。演技を終えると、チーム席へ向かってお辞儀し「ごめん」のポーズで謝罪した。

 「四大陸(選手権)や全日本選手権でも足が震えたけど、それ以上に震えてタイミングが合わなかった。ここまでみんな頑張って、この順位でいたのに、自分が足を引っ張るような滑りをしてしまったので『申し訳ございません』と」。結果は最下位の5位。142・87点をマークした四大陸同様の滑りができれば2位に入れただけに、もどかしさが残った。

 天真らんまんな笑顔と、典型的な関西人のキャラクターで“お笑い娘”のイメージがつきつつあるが、もともとは繊細な女の子だ。海外の試合に行っても、他国の選手には声をかけられないタイプ。初めて経験する舞台にはめっぽう弱い。

 ジュニアを主戦場としていた昨季終盤。四大陸選手権を制し、日本を代表するスケーターへと成長していく同僚の三原舞依(シスメックス)の姿を見ながら、坂本は中野コーチに「自分には経歴がない」とぼやいた。当時、全日本ジュニア優勝、ジュニアGPファイナル3位の好成績を収めてはいたが「悔しかったし、苦しかったんでしょう」と同コーチ。遠のくライバルの背中がもどかしかった。

 「頑張ればシニアでも戦えるよ」。中野コーチがそう声をかけたのは、一年ほど前のこと。いま坂本が立っているのは、世界最高峰の舞台だ。「あまり五輪って感じがしなかったけど、(心の)中では緊張があったのかな。個人戦ではもう一回締め直したい」。元気印の伸びしろは無限大。個人戦には、さらに成長した姿で帰ってくる。

関連ニュース

編集者のオススメ記事

五輪最新ニュース

もっとみる

    主要ニュース

    デイリーおすすめアイテム

    注目トピックス