DF室屋「やってやろうと思っている」負ければ敗退 手倉森J運命のコロンビア戦

 リオデジャネイロ五輪に出場しているサッカー男子日本代表は5日(日本時間6日)、4-5で敗れた1次リーグ初戦のナイジェリア戦から一夜明け、北部マナウスで調整を行った。DF室屋成(22)=FC東京=らナイジェリア戦の先発メンバーに途中出場のFW浅野を加えた11人は、ランニングやストレッチなど軽めのメニューで回復に努めた。負ければ敗退が決まる7日(同8日)のコロンビア戦に全てを懸ける。

 挽回の舞台は残されている。右サイドバックとしてナイジェリア戦にフル出場した室屋だったが、クロスボールの目測を誤るなどミスを重ね、失点に絡んだ。DFとしては受け入れがたい5失点という結果に、試合後は初めて無言で取材エリアを通り過ぎた。「あんなに失点したのは初めてだった。どうしても気持ちの整理がつかなくて、なかなか言葉に表すことができなかった」。一夜明け、ようやく敗戦を語る言葉を見つけた。

 11年U-17W杯で一度は世界を経験していたが、五輪は想像を超えていた。「独特の雰囲気の中、緊張感もあった。早い時間帯で失点して、責任を感じて慌ててしまった」。初戦の異様な空気にのみ込まれ、大一番で屈辱にまみれた。

 幾度もつまずき、成長してきた。明大の三浦佑介コーチは振り返る。室屋が1年の夏、当時主将を務めていた小川大貴(現磐田)がユニバーシアード代表で不在の間、サイドバックで出場を重ねた。だが、小川が戻った試合ではベンチに座り、チームも敗れた。試合後、憮然(ぶぜん)とする室屋は神川監督(現J3盛岡監督)との握手を拒否。当然、激しく叱責された。

 運命は巡る。今度は3年になった室屋がユニバーシアード代表へ。代わって出場していた4年生は室屋が戻った途端に外され試合は敗れた。「1年の時を覚えているか、あの時感じた気持ちが、今のお前を見ている人間の気持ちだ」。三浦氏は室屋に語り掛けたという。試合に出場することの責任感に気付き「それを機に変わった。いろんなものを背負えるようになった」と三浦氏は成長を実感。室屋は「三浦さんは大きな存在」と感謝する。

 負ければ敗退が決まる次戦を前に、後ろを振り返ってばかりはいられない。「とにかく前を向くしかない。まだ終わったわけではない」。この日は宿舎でミーティングを行い、手倉森監督からは「絶対に修正できる」と後押しを得た。必勝が要求される一戦。ピッチに立つ重みを知る室屋は力強く言い切った。「やってやろうと思っている」

関連ニュース

編集者のオススメ記事

五輪最新ニュース

もっとみる

    主要ニュース

    デイリーおすすめアイテム

    注目トピックス