イチロー1年ぶり3安打で6戦連続H

試合前のフィールドで遠投を行うイチロー=フィラデルフィア(撮影・小林信行)
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 「フィリーズ8-7マーリンズ」(19日、フィラデルフィア)

マーリンズのイチロー外野手(41)は「1番・右翼」で出場し、5打数3安打1打点。八回に一旦は勝ち越しとなる適時打を放つなど、昨年7月7日以来、メジャー通算250度目の猛打賞で連続安打試合を6に伸ばし、打率を・265とした。試合は、1点リードの九回に抑えのラモスが逆転2ランを浴びてサヨナラ負け。後半戦3連敗で借金はシーズン最多の16となった。

 真骨頂を発揮した。1点を返して同点に追いついた八回。なおも2死二塁の好機にイチローが打席に立った。

 マウンド上には剛腕、ジャイルズ。前夜の試合では八回の打席では初球、97マイル(約157キロ)の速球を打ち上げて中飛に倒れている。この日も初球は真っ直ぐから。97マイル(同)の内角高めの直球はイチローが上半身をのけぞるほどのボールだった。2球目も同じ内角だったが、球種は86マイル(約138キロ)のスライダー。鋭く落ちるようにして曲がる変化球にバットは大きく空を切った。3球目もほぼ同じコースのスライダー。球速はわずかに遅い84キロ(約135キロ)。切れ味抜群の変化球に再び、空振りを喫した。

 1ボール2ストライクから4球目を待つ心理。イチローが窮地に立たされた状況を振り返る。

 「どっちも外せないよね。100マイル(約161キロ)近く投げるんだから、それ(ストレート)は絶対に外せないし、でも、(スライダーで)2つ空振り取ってるからね。どっちも外せないよね」

 2つの球種を同時に待つ。空振りだけは絶対にできない。バットに当ててインプレーにする。打席の中で考えたことはもう1つある。

 「真っ直ぐをきれいに捉えようとは思ってないよ。〝両にらみ〟だからしょうがないよね。とにかく(2つの球種を)待つわけだから、97マイルをきれいに捉えようとすると、スライダーはノーチャンスですから」

 4球目に投じられたのは、外角高め、97マイル(同)の直球。持ち味のバットコントロールが冴(さ)える。フラフラと上がった打球は遊撃手の頭を越え、中堅手の前にポトリと落ちた。見た目は〝つまらされた〟だが、実際は、意図的に〝つまらせた〟。それを証明するかのように「理想の打球?」の問いかけにイチローは「そうだね」と即答した。

 午後1時38分開始のデーゲーム。プレーボール時の気温は33度、体感温度は38度。高温注意報が発令され、マーリンズの二塁手、ロハスが五回に体調不良で交代するほどの過酷な条件の下、フル出場したイチローは「暑かったですねえ」と一言。試合中は水分補給、そして、アンダーシャツを5回ほど替えて体調維持に努めたという。

 2試合連続で1番に入ったのは今季初。この日は2打席で凡退したが、いずれも相手の好守に阻まれてのもの。1番は12年途中までプレーしたマリナーズ時代の〝指定席〟とあって「やりやすいよね」とイチロー。自己ワーストの34打席連続無安打(3四球、2犠打含む)の後の6試合連続安打。直近6試合の成績は20打数9安打、打率・450。イチローの反撃が始まった。

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