イチロー、大歓声に「戸惑いですね」

キャンプ最終日も帰宅前にサイン会を行ったイチロー。胸の部分には「aidas(愛だす)」の文字=フロリダ州ジュピター(撮影・小林信行)
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 マーリンズのイチロー外野手(41)は1日(日本時間2日)、キャンプ地最終戦となるナショナルズとのオープン戦で七回の守備から右翼で途中出場した。七回の打席は遊ゴロだった。

 今オープン戦は途中出場5試合を含む18試合に出場し、打率・286(42打数12安打)、5打点、3得点、3盗塁。守備では2つの補殺を記録した。

 試合は、マーリンズが8-0で勝った。

 2度弾んだ打球に快足を飛ばした。前に出ながら捕球した相手遊撃手とのスピード勝負。イチローの足がわずかに及ばず、アウトがコールされた瞬間、スタンドからため息が漏れた。

 この日唯一となった打席で見せた全力疾走。ベンチに戻る41歳のベテランに客席から大きな拍手と歓声が送られた。打席に入った時のそれよりも明らかに大きな反応。「意味が分からないです。ここで最後だもんね。そうやって考えたらそうなる。それしかない」。その理由を自ら分析しながら「戸惑いですね、どちらかと言えば」。そう話すイチローの表情は緩んでいた。

 37日間に及んだ新天地でのキャンプ。イチローはしばらく考え込んだ後、「ようやく名前と顔を覚えた感じかな」と感想。心身の状態など、詳細については「毎回違うように今回も違う」と短く話しただけだったが、メジャー15度目のキャンプもやるべきこと、できることをやろうとする姿勢は変わらなかった。

 オープン戦での出場機会が限定され始めた終盤から個人メニューとして全体練習の合間に外野での60メートルダッシュを取り入れた。全体練習前、試合前、試合後に行っている“筋トレ”も日課の1つだ。オープン戦で見せたパフォーマンス、そして、それに対する観客の反応は日々の積み重ねの大切さを証明している。

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