福井工大福井の女性部長、練習見守る

 第88回センバツ高校野球の甲子園練習が16日、甲子園球場で行われ、福井工大福井で女性ながら野球部部長を務める安久洋子教諭がダッグアウトから練習を見守った。

 「部長で甲子園に来るなんて想像もしていませんでした」と優しい笑みを浮かべた安久部長。転機が訪れたのは同校が夏の甲子園に出場した直後の2012年8月、「突然でした」と部長への就任要請を受けた。それまではチアや応援の指導で球場に足を運び、同校が春夏連続で甲子園に出場した04年には愛息の応援でアルプス席から声をからした。

 幼少期から高校野球やプロ野球を観戦し、「野球は大好きでした。高校時代の原辰徳さん(東海大相模)とか好きでした」と明かした安久部長。だが高校野球の部長を務めることは想像だにしていなかった。「当初は翌年4月からだったんですけど、新チーム発足の方がいいだろうと話が進んでしまって」と気持ちの整理をつける間もなく就任。それでも懸命にチームを支え始めて4年、昨秋の北信越大会で準優勝し、12年ぶり8度目のセンバツ出場を決めた。

 「やっぱり女ですので、ノックとか野球関係のことはできません。ウチは部員が90人くらいいて大所帯なので、メンタル的なもので支えられれば」と語る安久部長。この日も練習終了後にベンチの見回りや、整列など的確に指示を飛ばした。「高い目標を持ちたいですけど、一戦、一戦、しっかり戦ってほしい」と教え子たちの動きをベンチから見守る。

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