月亭可朝 弟子なのに米朝一門会初参加

 今年3月に亡くなった人間国宝で落語家の桂米朝さん(享年89)をしのぶ追善落語会「桂米朝追善 米朝一門会」の最終公演が17日、大阪・サンケイホールブリーゼで行われた。かつて弟子として桂小米朝を名乗った月亭可朝(77)が毎夏恒例の同所での一門会に初参加した。

 弟子でありながら、用事も家事も何もしなかったことから「米朝師匠は私の顔を見たら小言ばかり言うてました。弟子に入ったその時からず~っと小言でした」と思い出話を切り出した。

 米朝さんには現在の桂米團治(56)を含め3人の子供がいたが、「おむつをしている息子さんが3人いた。わしはおむつをさわるのが嫌でな。それを桂枝雀(故人)とざこば君が全部やってくれた」と明かした。

 夏の暑い時期に「乳母車を引っ張るぐらいはせなあかん」と子供を連れて近くの川まで行った。堤防の影に乳母車を置いて、可朝自身は泳いで遊んでいたところ、時間の経過とともに影はなくなっていた。気がつけば子供が「日射病にかかって、白目をむいていた」こともあったという。「お前はろくなことせん」と常に米朝さんに怒られていた弟子時代を振り返り、「そのとおりや」と笑わせた。

 米朝さんの夫人が用意した高級ブランド、グッチの靴を勝手に履いたこともあった。「その時分にブランドの靴なんて、日本で履いてるというたら石原裕次郎ぐらいのもんや。それを履いて、晩に飲みに行くわけです」と回想。ある日、米朝さんに付いて新幹線に同乗。向かい合わせの席で座ったところ、米朝さんから「君の履いてるその靴な、わしも同じの持ってるわ」と言われ、「大きなセーフやった」と振り返った。

 弟子時代の数々の失敗談を披露した後は米朝さんの得意ネタの一つ「算段の平兵衛」を熱演。ほかに、筆頭弟子の桂ざこば(67)が進行役を務めて、桂文枝(72)、元関西テレビの桑原征平アナウンサー(71)らによるゲストトークも繰り広げられた。

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