川内が本気モード 選考かき乱す!?

 男子マラソンのリオデジャネイロ五輪代表選考会を兼ねるびわ湖毎日マラソン(6日・皇子山陸上競技場発着、42・195キロ)を控えた5日、一般参加で出場する“最強市民ランナー”の川内優輝(29)=埼玉県庁=が大津市内のホテルで選手受付を行った。

 この日、29歳の誕生日を迎えた公務員ランナーだが、ハンチング帽姿で受付を終えると「じゃあ、お疲れさまでした」とのみ話し、気合みなぎる表情を浮かべながら報道陣を振り切り、足早にタクシーに乗り込んだ。

 男子マラソンのリオ五輪代表選考は混迷を極めている。2月の東京マラソンが低調に終わり、昨年12月の福岡国際マラソンで2時間8分56秒で日本人トップの3位に入った佐々木悟(30)=旭化成=が一歩抜けた状態となったが、他の選手は2時間10分すら切れていない。

 そして、びわ湖の川内の結果が、さらにかき乱す可能性がある。選考基準では複数の選考会に出場した場合、派遣設定記録の2時間6分30秒を突破しない限り、最初に出場した選考会が優先される。福岡で日本人4位の8位に終わった川内は、選考のテーブルに上がるためには派遣設定記録を突破する必要がある。自己ベストは2時間8分14秒の川内にとっては極めて厳しい条件。川内自身、すでにリオ五輪は断念しており「状態を考えれば厳しい。でもできる限り走ることが、五輪挑戦に区切りをつけるために必要」と、びわ湖はあくまで17年ロンドン世界選手権への第一歩という位置づけだ。

 ただ、川内が派遣設定に届かずも、福岡や東京の日本人1位を上回る自己ベストに近いタイムで日本人トップとなった場合はややこしい。選考基準では、川内は選べない。ただ、タイムが低調の東京組や、びわ湖の日本人2位以下の選手も選びづらい状況となるのは間違いない。酒井強化副委員長は「選考要項では3枠を保障するものではないと書いてある」と、仮にびわ湖も低調に終わった場合、3枠を埋めない可能性も示唆しているが、佐々木以外のあと2人を選ぶのが困難になる。

 女子マラソンが福士加代子の名古屋強行出場示唆でもめていた時、川内はうらやましそうに話していた。「力のある選手は何でもできる。私もかき乱してみたい」。巡ってきた絶好のチャンスに、この男が燃えないはずがない。公務員ランナーの激走が、マラソン選考を大混乱に陥れるか-。

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