元プロの宮崎日大・榊原監督、初戦敗退

 「全国高校野球・1回戦、宮崎日大0-3上田西」(6日、甲子園)

 広島などで活躍した元プロの榊原聡一郎監督(52)が挑んだ甲子園は初戦で終わった。13年に学生野球指導者資格を回復し、昨年、母校・宮崎日大の監督に就任。基礎を徹底する練習法、勝負所を読んだ奇抜な継投策で宮崎大会を勝ち上がってきたが…。指揮官が悔やんだのは初回だ。

 「初回でしょうね。ここをどう乗り切るか。甲子園の初回は怖いなと思いました」と榊原監督。エースの杉尾が緊張からボールに本来のキレがなく、制球も定まらなかった。2安打と四球で1死満塁のピンチを招いた。5番・松本にはカウント2ボール1ストライクから「相手が仕掛けてくるところだから」とベンチはウエストを指示。だが動きは無く、逃げ場が無くなったところで直球が甘く入ったところを痛打された。

 直後に一塁を守っていた黒木にスイッチ。五回からは再び杉尾をマウンドに戻した。八回無死二塁の場面では黒木を投入し、追加点を与えずにピンチを脱出。九回2死から「うちのエースは杉尾ですから」と三度、杉尾をマウンドに戻し、一、二塁のピンチを招きながらも後続を打ち取った。だが最後まで打線が反撃ののろしを上げることはできなかった。

 奇抜な右腕2投手による継投策。直球で押す杉尾に対し、「高校生ではなかなか打てないスライダー」を持つ黒木を勝負所で投入し、宮崎を勝ち抜いてきた。練習試合ではピンチの場面で、カウント1ボール2ストライクから黒木を登板させるなど、チームのスタイルを確立させていった。それは広島時代の三村敏之元監督が好んだ継投策。当時のワンポイント左腕・清川を一塁守備に就かせつつ、ピンチを脱したシーンはプロ野球の歴史にも刻まれている。

 その策にOBらからは批判の声も上がったという。「『杉尾と心中しろ!!』なんて言われましたけど、一発勝負の高校野球で心中なんてできない。選手がかわいそう」と榊原監督。周囲の雑音を結果で封じ込んできた。

 初さい配の甲子園でも確立したスタイルを惜しむことなく発揮したが「やっぱり初回の2点が痛かった」-。再び聖地に戻ってくるその日に向けて、初戦敗退で味わった悔しさを教訓として生かしていく。

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