MLB選手会、MLBの譲歩案を一しゅう サラリーキャップ制度28年先送りに「本質的に悪影響は変わらない」 反発の理由も的確に説明
米大リーグ選手会は3日(日本時間4日)、12月1日に失効する労使協定に関する声明を発表。米大リーグ機構(MLB)から提示されたサラリーキャップ(総年俸の上限)制度の28年先送りの譲歩案に対し、「素晴らしいシーズンを終えたばかりだというのにMLBのオーナーたちは、現在の制度を破壊し、自らの利益を増やし、球団の資産価値を高めるために設計された制度へ置き換えようとする提案を続けている」と辛らつの書き出しで「MLBは導入時期を2028年まで遅らせることを提案しているが、その本質において、オーナー側が求めるサラリーキャップ制度の悪影響は何ら変わらない」と一しゅうした。
「悪影響」の理由として「選手報酬の大幅な削減」、「保証契約を含む、選手の基本的権利の廃止」、「国内および国際アマチュア選手獲得制度の大幅な弱体化」、「市場原理に基づく仕組みを年俸中間層の選手に不利益を与え、選手同士を競わせる『ゼロサム型』の制度へ置き換えること」を列挙。選手へのデメリットを鋭く指摘した。
さらに、来季をサラリーキャップ制度の移行年とする新たな複数の提案に対しても猛反発。「選手の契約上の権利に対する即時の制限」、「ぜいたく税(総年俸超過に対する課徴金制度)の基準額の据え置き」、「アマチュア選手との契約ボーナス総額4億ドルの削減」、「スモールマーケット(小市場)球団が現在有している競争上の優位性の剥奪」、「最低年俸、収益分配、ロースター制度、選手移動に関する規定など、多岐にわたる問題について選手側が提出した数十件の提案の拒否」と記し、「選手たちは野球界がこれまでにない勢いを得ている現状をさらに発展させ、選手、球団、そしてファンのすべてに利益をもたらす新たな労使協定の締結に向けて、誠意を持って交渉する用意ができている」と、話し合いの継続を求めた。
米報道によると、MLBはサラリーキャップ制度の1年延期のほか、キャップ(上限)を当初の2億4530万ドル(約387億5000万円)から2億5820万ドル(約408億円)へ、フロア(下限)を1億7120万ドル(約270億円)から1億8020万ドル(約284億7000万円)へ修正する一方で現行のぜいたく税や球団間の収益配分を維持。その他の新案として「FA取得時期の前倒し」、「最低保証年俸100万ドル(約1億5800万円)」「ロースター入れ替え頻度の削減」などを提示したという。
