山本由伸 2戦連続完投星 PS史上24年ぶり偉業「戦力になれた実感すごくある」圧巻の20打者連続アウト
「ワールドシリーズ・第2戦、ブルージェイズ1-5ドジャース」(25日、トロント)
ドジャースの山本由伸投手(27)が敵地トロントで行われたブルージェイズとのワールドシリーズ第2戦に先発し、9回を105球、4安打8奪三振1失点の好投でチームを勝利に導いた。ブルワーズとのナ・リーグ優勝決定シリーズ第2戦に続く、ポストシーズン(PS)史上24年ぶりの2試合連続完投勝利の偉業を成し遂げた。PS通算5勝目でダルビッシュ、田中将の日本選手最多に並んだ。両軍はシリーズ1勝1敗で戦いの舞台をロサンゼルスに移し、27日の第3戦に臨む。
派手なガッツポーズもなければ、雄たけびもない。高く上がった打球が三塁マンシーのグラブに収まるのを見届けた山本が静かな笑みを浮かべた。捕手スミスと厚い抱擁を交わした後、相棒の背中をポンポンと叩き、感謝の気持ちを表した。
「チームの戦力になれたという実感がすごくある。すごくうれしい」
前夜の第1戦は投壊11失点の惨敗。連敗すれば、優勝確率が19%まで急降下する大事な一戦で山本が奮起した。
「きょうは絶対勝たないといけないと、すごく気持ちが入った」
味方打線から1点の援護を受けた直後の初回のマウンド。連打で無死一、三塁のピンチを背負ったが、動じなかった。後続を2三振に仕留めるなど得点を与えず、敵地ファンにため息をつかせた。
圧巻の投球は三回途中から。死球と安打、さらに犠飛で同点に追いつかれた後だ。「すごく悔しかったですけど、まだ同点だったのでうまく(気持ちを)切り替えて投げ続けられた」。序盤はスプリットとカーブを多投する配球でリズムをつかみ、中盤からはスライダーとカットボールを織り交ぜ三振をしないことで知られる強力打線を圧倒した。
「僕の投球スタイルはどのボールもストライクゾーンを狙って思い切り投げていく。自分の投球に集中した」
味方打線が七回に勝ち越しに成功。リードを4点に広げた直後の八回には3者連続三振で敵の心をへし折った。
八回を終えて93球。「まだ球数も余裕があったのでいけるかなと思った」。首脳陣から続投の意思確認は一切なし。最後は20打者連続アウトの快投で、2001年のシリング(ダイヤモンドバックス)以来24年ぶりとなる2試合連続完投勝利を達成。ロバーツ監督は開口一番、「見事。非常に競争心が強く、特別だった。ゾーンに入っていた」と称えた。
山本の次の登板は敵地で行われる第6戦の見込み。3勝2敗、もしくは2勝3敗で迎える大一番。6日後のマウンドを見据えて戦闘態勢を整える。
