大谷翔平の代打でMVP獲得 シュワバーが明かす球宴史上初HR競争決着の舞台裏「『絶対ない』って答えたんだ」

 オールスター戦でMVPに輝いたフィリーズのシュワバー(共同)
 同点で終えたオールスター戦に決着をつける本塁打競争が行われ、3本を放ちMVPに輝いたフィリーズのシュワバー(共同)
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 「米大リーグ・オールスター、ナ・リーグ6-6ア・リーグ(HR競争4-3)」(15日、アトランタ)

 ナ・リーグが球宴史上初めて実施された延長戦の新ルール「ホームラン・スイングオフ(本塁打競争)」で勝利した。「1番・指名打者」で出場した大谷(ドジャース)の代打として六回から途中出場したシュワバー(フィリーズ)が延長戦の本塁打競争で全3スイング柵越えの離れ業を披露し、MVPを獲得した。

 史上初の本塁打競争決着。シュワバーがナ・リーグを指揮するロバーツ監督(ドジャース)から出場の意思確認をされたのは前日のことだ。試合開始前に3人プラス補欠1人を登録。「デーブ(ロバーツ監督)から聞かれた時は『絶対ない』って答えたんだ。だってその時点で同点になるなんて考えもしなかったからね」。指揮官によると、大谷はメンバーに入れなかったという。

 試合はナ・リーグ2点リードの九回にパドレスの抑えスアレスが崩れて2失点。「こんな展開になるなんて考えもしなかった。九回(表2死三塁)の三塁への打球で勝負が決まると思っていた。でも、クワンのいい走塁があって結局、同点になってしまった」。ナ・リーグはその裏の攻撃で三者凡退。しかも先頭で打席に立ったシュワバーは剛腕チャプマンの160キロシンカーにバットを粉砕されて三直に倒れている。

 不吉な予感が頭をよぎる中、おろしたてのバットを手にシュワバーは2人目の打者として本塁打競争の打席に立った。1人3スイングの勝負。「少し緊張した。最初のスイングが一番大事だったと思う。ホームランを狙うというよりはラインドライブの打球を打とうと意識した。そうするとだいたいうまくいく」。前半戦で30本塁打を記録し、大谷を2本差で追う左の強打者が圧巻の打撃を披露する。3スイング連続スタンドイン。1点を追う展開から一気に逆転。チームを勝利に導いた。

 打撃投手を務めたのはドジャースのエベル三塁コーチ。他球団のコーチが投げる球に1球目からアジャストできたのは、シュワバーが出場した23年のWBCで米国代表の首脳陣の一人だったから。「本当に運が良かった。彼は打撃練習でいつも素晴らしいボールを投げてくれていたからね。彼の功績でもあると思ってる」と裏方を称えることも忘れなかった。

 フィリーズの選手が球宴でMVPを獲得するのは1964年以来、61年ぶりの快挙。会見中はほとんど笑顔を見せなかったシュワバーは「とても光栄なことだけど、正直、この賞にふさわしい人は他にもたくさんいると思ってる」と静かな口調で言った。

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