なぜ?5回わずか80球で交代した山本由伸 少ない球数から見えるドジャースの期待
「カブス1-4ドジャース」(6日、シカゴ)
米大リーグ、ドジャースの山本由伸投手(25)が6日(日本時間7日)、メジャー3度目の登板で初勝利を手にした。敵地シカゴで行われたカブス戦に先発して5回3安打無失点。最速156キロの直球と落差あるカーブを軸に8つの三振を奪い、最後は3イニング連続三者凡退の快投だった。
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山本は5回、80球で交代した。この時点で3点リード。メジャー初勝利の権利があったとはいえ、オリックス時代の投球を知る者からすれば、物足りなさを感じる降板だったはずだ。開幕投手を務めたグラスノーは3日の登板で100球を投げていることを考えればなおさらだ。
試合後の監督室。ロバーツ監督は山本の投球数について説明した。
「最初の数試合で球数が安定していなかったから、きょうは85球をメドに考えていた」
振り返れば、3月21日の韓国でのメジャーデビュー戦は1回5失点、43球で強制降板。前回同30日のカージナルス戦は降雨中断後も続投して5回、68球だった。球数が増えれば、けがのリスクも高くなる。急激な増加はいわずもがなだ。
投球数だけでなく、山本の登板頻度も綿密に計算されている。ド軍の先発陣は5人ローテだが、山本に関してはブルペンデーを採用するなどして、日本と同じ週1ペースを維持する方針を打ち出している。やり投げ調整が大きな注目を集めるなど、練習メニューも“オレ流”を認める柔軟性を見せている。
メジャー投手史上最大規模の12年3億2500万ドル(約463億円)のメガ契約。球数制限や登板間隔維持の裏にあるもの。それは球団の危機管理であり、山本に将来のエースになってほしいとの願い、期待であることは間違いない。(デイリースポーツ・小林信行)