大谷 史上初W規定到達に大前進 今季最多111球 年間投球回は自己最多更新
「エンゼルス2-1アストロズ」(3日、アナハイム)
エンゼルスの大谷翔平投手(28)が「3番・投手兼指名打者」で出場し、投手としては今季最長タイの8回、6安打1失点、無四球、5奪三振。今季最多111球の力投だったが、同点の場面で降板し、12勝目はならなかった。防御率は2・58。今季投球回数は昨季の130回1/3を上回る136回で自己記録を更新。シーズン4~5登板を残し、史上初のダブル規定到達まで26回とした。打者では4打数無安打1四球で6試合ぶりのノーヒット。チームは延長十二回サヨナラ勝ちした。
今季2勝を挙げているアストロズ打線を相手に大谷の右腕がうなりを上げた。四回1死まで10者連続アウトのパーフェクトピッチング。三回には先頭マティエビッチをカーブで空振り三振に仕留め、メジャー通算400奪三振を達成。ベーブ・ルースに続き、史上2人目の通算100本塁打&400奪三振を記録した。
四回1死から初安打を許したが、8月月間MVPのブレグマンを143キロスライダーで遊ゴロ併殺。つけ入るスキを与えなかった。
唯一の失点は五回2死から。6番マンシーニに外角スライダーを右中間二塁打にされ、続くマティエビッチの詰まった当たりがセンター前に落ち、先制された。六回には2死満塁のピンチを背負ったが、追加点を許さなかった。
七回と八回は最速162キロを計測した新球ツーシームを効果的に織り交ぜて無失点に抑えた。この日はフォーシーム16球に対し、ツーシームを18球も投げる過去にない配球。終盤は1球ごとに声を上げる気迫の投球でア・リーグ西地区の首位を独走する打線を翻ろうした。
アストロズの先発ガルシアとの息詰まる投手戦。打者としては悔しい打席が続いた。初回1死二塁の先制機は初球チェンジアップを打ち損じて一ゴロ。四回先頭の打席は目にゴミが入るアクシデントに見舞われ、カウント1-2から内角直球を打って左飛だった。
きわどいタイミングのアウトは六回の打席。カウント2-2から151キロ直球を三塁前へ打ち返し、快足を飛ばす。一旦はセーフと判定されたが、アストロズがビデオ裁定を要求し、判定はアウトに覆った。
今季自己最多111球を投げ終わった直後の八回の打席は2番手スタネックのスプリットに一ゴロ。同点の2死一塁の場面。勝ち越し打を期待する地元ファンの声援を受けた大谷だったが、カウント1-2と追い込まれた後、外角低めのボールになる球にバットを止めることができなかった。
延長十一回1死二塁の打席はア・リーグ最多の13個目の申告敬遠。本拠地にブーイングが渦巻くなか、一塁へ歩いた。後続の一ゴロで二塁へ滑り込んだが、惜しくもアウト。エンゼルスベンチがチェレンジ権を行使したが、判定は変わらなかった。
試合は、エンゼルスが同点の延長十二回2死一、二塁からダフィーの右中間への適時打でサヨナラ勝ち。4時間11分の戦い。勝利の瞬間、大谷は力投の疲れを見せることなく、仲間たちとベンチからフィールドになだれ込み、歓喜の輪に加わった。





