大谷 技あり二塁打 仲良し同僚3人が電撃トレード あす104年ぶり偉業に3度目挑戦
「エンゼルス3-1アスレチックス」(2日、アナハイム)
エンゼルスの大谷翔平投手(28)が「2番・指名打者」でフル出場し、五回の打席で左翼線二塁打を放った。4打数1安打で3戦連続安打とし、打率・255。トレード期限だったこの日は先発予定だったシンダーガードと抑えのイグレシアスが試合前に他球団への移籍が決定。緊急登板となった先発スアレスが5回1失点で3勝目、抑えを務めたキハダが2セーブを挙げた。
技で運んだ。2打席無安打で迎えた五回1死の打席。大谷がワンボールから左腕アービンの内角135キロチェンジアップを詰まらせながら左翼線へはじき返した。転々とする打球を見ながら滑り込むことなく二塁到達。塁上で笑みを浮かべ、相手遊撃手アンドラスと言葉を交わした。
8月最初の試合。7月は月間打率・244で今季自己ワースト月間となったが、この日の1本で3戦連続安打とした。快音で新しい月をスタートさせた。
試合前には寂しい別れがあった。自身より3歳下でフィールドやベンチで交流することが多かった有望外野手のマーシュがフィリーズへ電撃トレードされた。マーシュはロッカー整理のために訪れたクラブハウスで選手や関係者に一人一人あいさつ。大谷とは握手し、言葉を交わした後、最後はグータッチで別れを告げた。
親日家でもあるイグレシアスは日頃から大谷ファンを公言。5月には「ショウヘイのために」と、胸に「TEAM JAPAN」とプリントされたオリジナルTシャツを作製し、大谷や水原通訳らチーム全員にプレゼント。守護神は2年余りの契約を残してチームを去った。
シンダーガードはともにローテーションの柱として先発陣を支えてきた間柄だ。同僚のロレンゼンは試合のなかった前日にSNSで両投手らと一緒に撮影した一枚を投稿。大谷にとっては親交のあった3人を一度に失う日となった。
あす3日の同カードの先発が決まっている大谷。試合前にはブルペンに入り、直球と変化球、あわせて31球を投げて調整した。ベーブ・ルースが1918年に記録した「2桁勝利、2桁本塁打」にあと1勝に迫っている。過去2登板はいずれも黒星。今季3度目、昨季から数えて6度目の挑戦で104年ぶりの偉業を達成するつもりだ。