大谷翔平、サヨナラ走塁解説 2打席連発より「最後の盗塁と最後の走塁の方が価値はある」
「エンゼルス8-7オリオールズ」(2日、アナハイム)
本塁打王争いでMLB単独トップに立つエンゼルスの大谷翔平投手が、「2番・指名打者」で出場。2打席連続となる29、30号本塁打を放ち、九回は四球で出塁すると二盗を決め、神走塁でサヨナラの生還を果たす大活躍を見せた。
「前回は僕が打たれてしまって、みんなが取り返してくれて、今日は何とか自分が取り返したいなという気持ちでいきました」。先発したヤンキース戦では一回もたず7失点KO。その屈辱は、独り舞台の活躍で晴らしてみせた。
7-7の同点で迎えた九回。大谷は1死走者なしの場面で打席に立つ。四球を選ぶと、2死後に果敢に自己最多タイの12個目の2盗を成功。4番ウォルシュの痛烈な右前打で果敢に本塁突入。打球の速さから際どいタイミングかと思われたが、タッチより一足早くホームに滑り込むと、あおむけになって両腕を天に突き上げて、勝利を喜んだ。
「(三塁を)回すしかないなのは分かってたので、そのまま行きましたけど、打球も強かったのでどうかなという気持ちはありましたけど、迷いはなかったですね」と振り返った。
この日は2-6の三回の打席では追撃の29号ソロ、1点差に詰めた四回には2打席連続となる逆転の30号ツーラン。松井秀喜が2004年に記録した日本選手最多の31本塁打に王手をかけた。
それでも「ひとつ節目の数字ではあるとは思うので、打てて良かったなというのはあるんですけど、全体でトータルで試合を見た時は最後の盗塁と、最後のセカンドからの走塁の方が価値はあるんじゃないかなと思います」と胸を張った。
2死一塁からの盗塁がサヨナラを生んだ。その直前、1死一塁の場面でも盗塁を成功させたかに見えたが、打者レンドンが空振りした際にバットが捕手に当たったため、一塁に戻されていた。
「1回目はそんなに警戒もされてなかったので、普通のステップならいけるのかなという感じでしたけど、2回目はさすがに走ってくる可能性を相手も考えてるので、キャッチャーも含めて。なかなか難しい選択肢ではありましたけど、1点をどうしても取る中ではやっぱりセカンドにいた方がヒット2、3本続くよりは可能性が高いとベンチも思ってたと思うので、トライはしました」
勝利の可能性を増幅させる思いが、“難しい選択肢”に突き進む結論に至った。そして、思い描いたサヨナラ劇につなげた。



