雄星、イチと最初で最後の試合で躍動 メジャーデビュー星お預け…イチと抱擁し涙

 「アスレチックス4-5マリナーズ」(21日、東京ドーム)

 マリナーズのイチロー外野手(45)が21日、現役引退を発表した。同日行われた東京ドームでの、アスレチックスとの開幕第2戦でも前日に続き「9番・右翼」で先発したイチロー。日米両球界で記録と記憶に残る活躍を演じた大選手のラストプレー。一つの歴史が終わった。

 あこがれ続けた舞台に、あこがれ続けたレジェンドと共に立つ。菊池雄星投手(27)にとって生涯忘れることのできないメジャーデビュー戦となった。「イチローさんと一緒にプレーできることは、僕にとってギフト」。立ち上がりから思いを白球に込めた。

 先頭のセミエンの詰まったゴロが変則的に跳ねたが、落ち着いて菊池がさばくと自ら一塁ベースを踏んでメジャーで最初のアウトを奪い、好打者チャップマンをスライダーで空振り三振に斬るなど初回を無失点に抑えた。

 00年に岩手県営野球場で見た当時オリックスのイチローは、菊池のあこがれとなった。「その時のオーラをまだ覚えている」と振り返ったが、その背番号「51」が右翼の位置で菊池をサポートした。

 四回2死では、菊池が153キロの直球でピンダーを詰まらせ、右翼線への飛球をイチローがキャッチ。この試合限りで第一線を退くイチローと共に立つ最初で最後のメジャーの試合に、左腕が躍動感のある投球を見せた。

 3点リードの五回2死一、二塁からセミエンに中前適時打を打たれて降板。その後はイチローが八回の守備から交代した際に、抱擁して声を掛けられると大粒の涙を流した。初勝利はならなかったが、あこがれの人との共演、そして別れという、菊池にとって胸に刻まれる一戦となった。

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