イチロー「全てをささげたい」 熱く深いマリナーズ愛 6年ぶり古巣復帰実現!

 マーリンズからFAとなったイチロー外野手(44)が7日(日本時間8日)、マリナーズと1年75万ドル(約8000万円)プラス出来高125万ドル(約1億3000万円)で正式合意した。メジャー1年目の2001年から12年途中までプレーした古巣への、6年ぶりの復帰。アリゾナ州ピオリアにある球団のキャンプ施設で臨んだ入団会見で「全てをこのチームにささげたい」とメジャー18年目に懸ける思いを口にした。

 念ずれば通ず。上下黒のスーツに黒のネクタイ。シックな装いで会見場に現れたイチローのマリナーズ愛はどこまでも熱く、深かった。

 「いずれまたこのユニホームを着てプレーしたいという気持ちが僕のどこかに常にあった」

 ひな壇上でディポトGMから手渡された背番号51の戦闘服。「2001年の時とは全く違う感情が生まれました。とてもハッピーです」。6年ぶりの古巣復帰。喜びを静かにかみしめた。

 長かった。メジャー史上最悪とも言われた今オフのFA市場の動き。日本球界復帰やメキシカンリーグへの移籍、さらには引退もささやかれた。周囲の心配する声を聞きながら神戸を拠点に黙々とトレーニングを続けた。

 「僕自身は『泰然』とした状態だった。なぜそうなったのか分からない。ただ、選手として、人間としても常にそうありたい、目指すべき状態だったのでそういう自分に出会えたのはとてもうれしかった」

 心に決めた道はただ一つ。「迷うことはなかったですね。メジャーでやるという気持ち。これのみでした」。その軸がブレることは絶対になかった。

 3月に入ってマ軍の外野陣にけが人が続出。止まっていた時計が一気に動き出す。年俸と出来高を合わせた額は、昨季年俸と同じ200万ドル(約2億1000万円)。「ケージの中で一番大きく育ってしまった犬を優しく迎えてくれた。忠誠心が生まれるのは当然のこと」。自身を犬に例え、「マリナーズの力になれるのであれば、何でもやりたい。僕が今まで培ってきた全てをこのチームにささげたい、そういう覚悟です」と言った。

 12年7月のヤンキースへのトレードは自ら望んだものだ。「5年半前のことが常に頭にあった。戻って来てくれという声はたくさん聞いたんですけど、僕は聞き流すことしかできなかった」

 ずっと心の奥底にあった苦しい思い。「シアトルのファンの方々に『おかえり』と心から言ってもらえるような自分でありたい。それができるかは僕次第なので日々、励みたい」。新たな扉を開いたイチローが表情を引き締めた。

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