「ブレーブス９－１マーリンズ」（２日、アトランタ）

　気温３３度。強烈な太陽が照りつける午後４時開始の試合。３戦ぶりに先発したマーリンズのイチロー外野手が躍動したのは三回だ。２死二塁。カウント２－２と追い込まれながら外角カーブを右中間へはじき返し、滑り込むことなく三塁を陥れた。

　メジャー通算２９８９安打目となる１本は今季初、日米通算１１５本目の三塁打。“古巣”の大先輩、福本豊氏のもつ日本プロ野球記録に並び、また新たな勲章を手にした。

　この日の敵地の放送席ではイチローが０１年４月２日のメジャーデビュー戦で対戦したティム・ハドソン氏がテレビ解説。そのプレーを目の当たりにしたかつてのライバルは「素晴らしい」とうなった。

　試合前にはうれしい対面もあった。０４年に年間２６２安打を放ち、８４年ぶりにメジャー記録を塗り替えた時の前記録保持者、シスラー氏の遠縁にあたる家族からあいさつを受けた。

　イチローと言葉を交わしたトレント・シェムウェルさんは「１２年前に彼と会ったおばからいかに謙虚な人間であるかを聞いていた。きょうそれを実感できた」とその人柄に触れ、しきりに感激していた。