万博で世界1のジェンダー先進国・アイスランドの女性大統領来日、アウスゲイルらのライブに長い列
「世界経済フォーラム」が発表する「ジェンダー・ギャップ指数」、世界第一位の国、アイスランド。開催中の『大阪・関西万博』に、デンマーク、フィンランド、ノルウェー、スウェーデンの北欧5カ国共同で「北欧パビリオン」を出展する同国のナショナルデーが、5月29日に開催された。
ジェンダー格差が解消されている国として16年連続1位に選ばれている同国(日本は118位)。ナショナルデーの開催にあわせ、史上2人目の女性大統領のハトラ・トーマスドッティル大統領が初来日し、式典やトークセッションなど万博会場内で開催された多数の企画に登場した。
「平和とジェンダー平等」をテーマにしたこの1日の締め括る式典に、ハトラ大統領は笑顔で登壇。「ジェンダー平等のための議論には、男性や少年も議論に参加することが不可欠」と呼びかけ、「北欧諸国は1つ。日本のことわざにもあるように、『一本の矢は簡単に折れても、束になれば折れない』」と挨拶。また「日本の寿司や焼き鳥などの食文化を愛している」と茶目っ気いっぱいに話し、会場の雰囲気を和ませた。
式典の最後には、アイスランドの空気感を体現する人気アーティスト3組がパフォーマンス。最初に登場したのは、シンガーソングライターのJFDRこと、ヨウフリズル・アウカドッティル。ビョークをはじめとする多くのアーティストからも支持されている彼女の力強い歌声と幻想的なメロディーは、ホール内の空気を一変させた。
次に登場したのは、日本でもファンの多いシンガー・ソングライターのアウスゲイル。2023年の『フジロック』で「フィールド・オブ・ヘブン」ステージのトリを務めた以来の来日となった。彼のやさしく甘い歌声と、つまびくアコースティックギターの音色に、来場者はじっくり静かに耳を傾けていた。
最後は、作曲家・ピアニストのガブリエル・オラフスがパフォーマンス。彼の紡ぐ繊細なピアノの旋律が心地良く、万博会場内とは思えない澄んだ空気感を醸し出した。
この式典には、多数の参加希望者が早くから列を作り、残念ながら会場に入れず音だけを聴いたという来場者も多数いたようだ。「アウスゲイルを観に来たけど、会場は定員で中には入れず、外からなんとか音と雰囲気を感じた。それでも素敵なパフォーマンスで、もっと聴きたくなった」と話す人も。
アイスランドの涼しく穏やかな気候のような、優しい時間が流れた「アイスランド・ナショナルデー」だった。
取材・文・写真/Lmaga.jp編集部
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