雨の「万博」は楽しめるのか調査…野外ステージに行ってみたら、フジロック化していた
5月24日、『大阪・関西万博』が開催される夢洲は、朝から雨が続き、大屋根リング下が大混雑。そんななか、野外ステージのある、EXPOアリーナ「Matsuri」で、ブラジル人アーティストのライブがあるという。この強まる雨の中で本当に開催されるのか、そしてそこに行く人はいるのか・・・? 気になったので現地に走った。
「Matsuri」への道のりも、大屋根リングはまっすぐ歩けないほどの人。そして、室内で過ごそうと、各パビリオン入口にも多くの人が列をなしていた。
そして、たどり着いた「Matsuri」・・・。ライブ、ガッツリやってました!
ブラジル北東部マラニョン州サンルイス出身のシンガーソングライターで女優のフラヴィア・ビッテンクールさんのステージがスタートしている。観客も多くはないが、雨なのにそれなりにいるではないか。
サンバから洋楽まで、幅広い音楽に影響を受けてきたフラヴィアさんがブラジルで一躍有名になったのは、自身の歌う『Terra de Noel(ノエルの地)』が、ブラジルの連続テレビドラマ『アメリカ』のサウンドトラックに起用されたことがきっかけだそう。日本でいうところの、朝ドラ主題歌アーティスト、といった感じだろうか。
これまでにヨーロッパやアフリカでもコンサートツアーをおこなうなど、国内外で勢力的に活動している彼女の音楽には、ユネスコの無形文化遺産にも登録されている伝統的な祭り「ブンバ・メウ・ボイ」など、マラニョン州の伝承芸能の影響が反映された曲も。思わずステップを踏みたくなる。
ノリのいいナンバーの連続に、来場者のテンションも徐々にあがっていく。そして「ブラジル・トレイン」が発車。傘も放り投げて、どんどん後ろに人が続いていく。
やはり、本場ブラジルのリズムを前に、ブラジル人も日本人も、突っ立ってるだけ、なんでできやしないのだ。最終的には大きなサークルができ、曲終わりには一緒に楽しんだ来場者同士でハイタッチ。
どんな雨の中でも、最高にはしゃいで楽しむ大人たちの姿は、ほぼ「フジロック」。今はなきステージ、苗場の最奥地だった「オレンジコート」を思わずにいられない筆者であった。(「オレンジコート」には、数多くのジャズやワールド・ミュージックなどのアーティストが出演)
一番楽しそうだった男性に声をかけてみると、神戸を中心に活動するサンバ・バンド「バンダ・セルベージャ」のメンバーで、自身も万博でのステージに立った経験が。「最高に楽しかった! 東京での彼女のライブも良かったけど、今日も良かった!東京や浜松など遠方からライブを観に来た人もいるんですよ」と笑顔で答えてくれた。雨なんて全く関係ない、さすがのブラジルパワー!
ライブ後、ブラジルパビリオンの広報担当者は「こんな天気で無事にライブができるのか、果たして来てくれる人はいるのだろうかと不安で不安で・・・情報も本当に来たい人たちに届いているのだろうかと。でも、とっても盛り上がって本当に嬉しいです」と話していた。
このフラヴィア・ビッテンクールさんのコンサートは、5月25日も14時30分から16時まで、EXPOアリーナ「Matsuri」にておこなわれる。その後19時まで、DJ KENJINHOさんがプレイする。予約不要、入退場自由なので、気になる人はぜひ訪れてみよう。
取材・文・写真/Lmaga.jp編集部
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