AKB48・本田仁美「アイドルは終わりが来るもの」、世界レベルの表現者に
圧倒的なダンスの表現力でファンを魅了するだけではなく、美容面の探究心からトレンドに敏感な女性らの支持も厚いAKB48の本田仁美。2018年から2年半にわたり日韓合同のグローバルガールズグループ、IZ*ONEの一員として「世界デビュー」も果たした。
今回、世界最高峰のサーカス・エンターテインメント集団シルク・ドゥ・ソレイユの代表的なショー『ダイハツ アレグリア-新たなる光-』の日本公演のスペシャルサポーターをつとめることにちなみ、本田に「世界を目指して活動すること」について話を訊いた。
取材・文/田辺ユウキ 写真/Ayami
■ 「限界は勝手に決めつけず、挑んでみることが大事」──『アレグリア』の東京公演をご覧になったそうですが、どのように感じられましたか。
本当に良い刺激をいただきました。可能性って限界を決めるものではない、むしろ無限大に広がっていると実感できました。
──AKB48、そしてIZ*ONEでも活動された本田さんがおっしゃると説得力があります。
私はAKBに加入して10年目を迎えましたが、当初は自分が日本だけではなく韓国でもアイドル経験を積めるとは当然、思ってもいませんでした。自分が想像しない未来って、たくさん待っている。だからこそ挑戦し続ける楽しさ、おもしろさがあるんだなって。もしなにかに行き詰まっても、それらもすべて未来に繋がっているもの。だから失敗を恐れずにいろんなことにチャレンジしたいです。
──本田さんはかつてどんなことに行き詰まっていたんですか。
もう、いろいろありすぎて・・・(笑)。それこそ、IZ*ONEのオーディションとなった番組『PRODUCE48』を受けた当時は音楽番組にも出たことがありませんでしたし、「これから自分はどうしようかな」とずっと悩んでいましたから。オーディションの話をいただいても自信はなかったんです。
それでも挑戦したら合格することができ、現在へ繋げることができました。だから、たとえ自信がなくても良いから、限界だけは自分で勝手に決めつけずに挑んでみることが大事だなって。
■ 「私は生粋のパン好き(笑)冷蔵庫の8割は…」──『アレグリア』は世界中で愛されている作品ですが、現在のAKB48はまさにそんな世界規模のグループを目指しているんじゃないかと思うんです。「根も葉もRumor」(2021年)、「元カレです」(2022年)のダンスはその布石である気がして。「日本のアイドル」から「世界でも通用するボーカル&ダンスグループ」への転換期じゃないかと。
「世界を目指したいね」とメンバーと特別、話をしているわけではないのですが、でも私自身、韓国でいろんな練習方法などを学びましたし「これをAKB48にも伝えることができたらもっとグループが良くなるんじゃないか」と思いました。どんなことでも「良いもの」は共有するべき。新しい練習方法を取り入れると、もちろん最初は慣れないことだらけ。でも徐々にみんなの意識も高まってきて、これまで以上に一体感が生まれてきた気がします。
──練習方法も変化しているんですね。
これまではレッスンのあと、最後にダンスの映像を撮ってから終わりにしていました。でも今はレッスンのなかでも動画を撮って、細かくモニタリングしながら「この角度をこういう風に揃えよう」「タイミングを合わせよう」と意見交換しています。鏡に映る姿を自分で確認するだけではなく、もっと客観的な目線をもって自分たちのパフォーマンスを見るようにしています。
──ちなみに『アレグリア』では世界規模のパフォーマンスを楽しめますが、本田さんは「自分のこういうところが世界規模」というものはありますか。
生粋のパン好きというところでしょうか(笑)。私の家の冷凍庫は8割、ベーグルで埋まっているんです。全国から取り寄せていて、もし先着の商品だったら抽選にもちゃんと参加しています。秒針をチェックして時間ちょうどに申し込みをするくらいですから。味的には、カボチャやクリームチーズが入っているものが大好き。インスタの検索欄も全部、ベーグル関連です(笑)。
■ 「できるだけ長く表現者として輝きたい」──『アレグリア』のストーリーは伝統を引き継ぎながらも、新しいことにチャレンジする内容です。AKB48のあり方に似ている気がします。
たしかにそうかもしれません。新しい練習方法を取り入れることもそうですけど、そもそも17年も続いているアイドルグループは日本にはあまりいませんよね。それはやはり歴代の先輩方が作り上げてくださったものがあるからこそ。
──レジェンドのメンバーがたくさんいますもんね。
そういう伝統にプラスして、私たちも新しいアクションを起こしていきたい。そのなかでも大事にしているのがファンのみなさんとの距離感です。私が韓国に行って思ったのは「ファンの方と会える回数が日本ほど多くはないんだな」ということ。その点は日本のアイドルならではの良さだととらえています。
AKB48は週末の対面イベントや劇場公演もあります。劇場公演はまさに『アレグリア』の客席とステージの距離感とそっくり。すごく近いですから。でもそういう近さを私はずっと大事にしていきたいんです。
──一方、AKB48は近年、悔しい経験もたくさんしていますよね。2020年には『紅白歌合戦』への連続出場が11年で途切れ、2022年には12年連続で受賞していた『日本レコード大賞』優秀作品賞も逃しました。「もう一度」という気持ちになっているんじゃないでしょうか。
悔しい気持ちはみんな持っているはず。私はグループに加入して1年も経たないなかで、東京ドーム公演のステージに立たせていただいたことがありましたが、それはすべて先輩方の力のおかげでした。あのときはふわふわした気持ちでそこに立っていたことを記憶しています。そして「どんな場所でもそう簡単に立てるものではない」とその貴重さに気付かされました。
だからこそ次は自分たちの実力で新しい記録を作って、残していきたい。そうやって私自身、AKB48グループの力になっていきたいです。
──近年の本田さんのパフォーマンスを見ていると、どんな形であれずっとアーティストであり続けようという覚悟が感じられます。
いろんな考え方はあると思いますが、私個人としては、アイドルはいつか終わりが来るものだと思っています。一方でアイドルは、演技、モデルなどいろんな幅のお仕事ができるものでもあり、あらためて自分自身と向き合えるんです。「自分にはどんな仕事が合っているのかな」って。
私はこれまでの活動のなかで、パフォーマンスをすること、何かを表現することの楽しさを感じています。一生という保証はできないですけど、できるだけ長く表現者として輝きたいという気持ちは強くあります。「どんなことでもマルチにやっていきたい」という理想にはまだ到達できていないので、もっともっと模索しながら頑張りたいです。
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『ダイハツ アレグリア-新たなる光-』は「森ノ宮ビッグトップ」(大阪市城東区)にて、7月14日~10月15日に上演。
(Lmaga.jp)
