ダンスボーカルグループ「原因は自分にある。」って? 聴けばハマる、彼らの魅力とは
「原因は自分にある。」と聞いて、どんなグループを思い浮かべるだろうか? なかには「曲名かと思った」「ボカロ?」と思う人もいるかもしれない。その正体は、スターダスト所属の7人組男性ダンスボーカルグループだ(通称・げんじぶ)。
一度聞いたら忘れられないグループ名をはじめ、メタバース空間でのパフォーマンスや本人たちが登場しないアニメーションMV、バーチャルシンガーとのコラボなど、男性ボーカルグループの既成概念を覆し続け、じわじわとファンを増やしている。
7月からは大阪「オリックス劇場」などを回る初のホールツアー、そして11月にはキャパ1万の横浜「ぴあアリーナMM」でのワンマンライブも決定・・・と勢いに乗る彼らに、ほかの男性グループとは違う「げんじぶ」の魅力は何か、来阪したメンバーの大倉空人(おおくらたかと)と小泉光咲(こいずみこうさく)に聞いた。
■ ダンスボーカルグループながら一切登場しない!? MVも人気透明感のあるピアノロックサウンドと、言葉遊びを交えた哲学的な歌詞で、ミステリアスな曲が多い彼ら。そんな歌詞を存分に堪能できるMVが充実しているところが、「げんじぶ」ならではだ。グループは「2次元と3次元の狭間」というコンセプトを持っており、本人たちが一切登場しない「リリック」のみのアニメーションMVも定着している。
YOASOBIのAyaseや、ずっと真夜中でいいのに。の編曲を手掛けるボカロP・100回嘔吐ら新進気鋭のクリエイター提供曲も多く、YouTubeには「このグループのこと全然知らないけど、曲めっちゃ好き」「このグループは音楽だけでも戦えるんだな」などのコメントが並ぶ。曲きっかけのファンが増えているが、このコンセプトはコロナ禍になって生まれたものだという。
「僕たち、デビューして半年でコロナ禍になったんですよ。自宅待機でMVも撮れないなか、『2次元と3次元の狭間』という風に方向性を一気に変えて。そこから、アニメーションMVがげんじぶの特徴になったんですよね。コロナで制限されつつも、げんじぶらしさが広がるきっかけになりました」(大倉)
「曲だけ聞いたらボカロっぽい部分もあるので、 楽曲が気になった人に『僕たちダンスボーカルグループなんだよ』って言えるところが売りかなと思います。(最新アルバムの表題曲である)『無限シニシズム』もリリックMVで曲を聴いて、『げんじぶの楽曲や世界観、良いじゃん』ってなった人も多いみたいで、なんかお久しぶりの友だちからも連絡が来たりしました(笑)」(小泉)
■ 3年間の彼らが詰まった最新アルバム今年1月末に発売された最新アルバム『無限の終わり』では、『無限シニシズム』『原因は君にもある。』といった「げんじぶらしさ」を存分に堪能できる楽曲をはじめ、爽やかな青春3部作(『青、その他』『結末は次のトラフィックライト』『545』)や、彼らと同世代のクリエイター・izki提供曲(『キミヲナクシテ』『僕らの世界物語』『貴方に溺れて、僕は潤んで。』)、そしてダンスがかわいらしい『チョコループ』など、げんじぶ初めましての人にも魅力を伝えやすい1枚となっている。
「今回のアルバムは『原因は自分にある。』の3年間の集大成になっています。2次元と3次元の狭間というのをテーマに活動しているなかで、いろんなことにチャレンジしたターニングポイントの曲を全部収録してるんですよ。このアルバム1つで、僕たちの3年間がわかるというか。『げんじぶってどんなグループ?』って聞かれたときに、自信を持って伝えられるアルバムになってると思います」(大倉)
■ 当初はメンバー全員が凍りついた・・・斬新なグループ名ところで、やはり気になるのは「原因は自分にある。」というグループ名だ。本来ネガティブな意味で使われることの多い「原因」というフレーズを肯定的に捉え、このグループが引き起こすコト・作り出すモノが「原因」となり、音楽シーンや世界に新たなものが生まれるきっかけになるように、との願いが込められている。
「最初聞いたときは『なんでこの名前にしたんだ!』って思いました(笑)。衝撃すぎて、みんな凍りついてましたから。でも3年経って、『よかった、この名前で』ってつくづく思います。やっぱりインパクトがあるから、頭に残りやすいですよね。名前に負けないインパクトのあるパフォーマンスをしなきゃな、とずっと意識しています」(大倉)
結成から3年。グループのムードメーカー・大倉空人、儚く切ない歌声の小泉光咲、モデル体型の最年少・桜木雅哉、ダンスリーダー・長野凌大、ギャップNo.1の最年長・武藤潤、ハイセンスファッショニスタ・杢代和人、クールに見えて熱い高身長・吉澤要人。7人のキャラクターや関係性は結成当時から変わってないという。
「それぞれソロの活動で個々の実力を伸ばしていて、本当にバランスの良いグループだなと思います。でもこの3年間、いろんな状況のなかで変化していったなとは思いますね」(大倉)
■ メンバーの活動制限をバネに、更に力を付ける7人3年間でグループにとってもっとも大きな変化といえば、メンバーの杢代和人の活動制限だろう。『仮面ライダーギーツ』(テレビ朝日系)に出演中のため、2022年9月からグループの活動を制限。杢代以外の6人で実施した「げんじぶ夏強化合宿」(公式YouTubeチャンネルで公開)では、「(杢代と)別の場所で頑張ると言うより、並行して頑張ろう」「その間に俺らもめちゃくちゃ成長して、和人が追いつけないくらいにならないと」と誓い合っていた6人。
お互いが切磋琢磨するなか、今年の1月28日に神奈川「パシフィコ横浜 国立大ホール」で7人でのワンマンライブを開催。約半年ぶりにフルでステージに参加した杢代のパフォーマンスを見て、気合を入れ直したという。
「もう和人が本当に頑張ったなって。リハーサルとか来られないときもあったのに、1つ1つのレッスンに真剣に取り組んでいて、その結果がちゃんとライブに出ていて。やっぱり彼はすごいな、さすが杢代和人だなって思いました」(小泉)
「逆に悔しかったですね。僕的には本当は追いつけないぐらい成長してやりたかった。そのためにみんな努力もして、自分で言うのもあれですけど頑張ってましたし。レッスンとか秋ツアーも6人でいろいろ乗り越えてきたけど、やっぱり彼のカリスマ性と、根っからある努力家なところに今回追いつかれたなと思います。だから、さらに頑張んなきゃなって」(大倉)
■ 無限に広がる、げんじぶのNext phaseは?4月からはグループ最大規模となる4大都市を回る初のホールツアーをおこなう彼ら(杢代の出演はなし)。大阪は「オリックス劇場」を予定している。2人は「曲からげんじぶを知ったという人にも、ライブに一度来てほしい!」と意気込む。
「LED映像を使った世界観は、僕たちにしか作れないものでもあるし、音源とライブで全然違う雰囲気が楽しめると思います。ライブ感を大事にして、ライブ用のアレンジをパフォーマンスに入れたりしているので、耳だけじゃなく目で見てほしいです」(小泉)
アルバム『無限の終わり』には、「無限に広がり続ける可能性に終わりはあるのか 終わりの終わりは始まり げんじぶ Nextphaseへ」との思いが込められている。彼らのNextphaseはどこなのか。
「僕たちは自分自身を『表現者』と思っていて。楽曲提供の作家さんたちが僕たちのために作ってくれたものを、どれだけうまく表現できるか。そこを意識して今後もやっていきたいなと思います」(小泉)
「今はホールツアーを目標にしていますが、夢は7人で東京ドームに立つこと。そこを目指して7人で力を合わせて頑張っていきたいです」(大倉)
◇
原因は自分にある。『LIVE TOUR 2023 ーG=ー(ジーイコール)』の大阪公演は、8月9日に「オリックス劇場」(大阪市西区)で開催。そのほか、5月28日にライブハウス「GORILLA HALL OSAKA」(大阪市住之江区)にて声出し解禁ワンマン『LIVE 2023 ーLoud&Shuffleー』がおこなわれる。
写真/Ayami 取材・文/Lmaga.jp編集部
(Lmaga.jp)
