中田カウスの助言受け…注目芸人ドーナツ・ピーナツ、漫才師として堂々と「意識変える」出囃子とは

お笑い芸人が舞台へ上がる際に流れる音楽「出囃子」。芸人にとっては自分たちの登場を知らしめる重要なテーマ曲、また舞台に立つエンジンであり、それぞれに思い入れがあるはず・・・。

そこで「よしもと漫才劇場」(大阪市中央区:以下、マンゲキ)所属芸人から、曲に込められた想いや経緯などを深掘り。マンゲキメンバーの兄貴的存在で、お笑いコンビ・スマイルの瀬戸をインタビュアーに迎え、10回目の今回はクセになる北九州弁漫才で、各賞レースで頭角を現すドーナツ・ピーナツに迫ります。

■ 1段ずつ上がっていくっていうのを自覚した(ピーナツ)瀬戸:記念すべき10回目はドーナツ・ピーナツさん! ありがとうございます、記念すべき回に。フラットな感じで喋ってもらって全然大丈夫なので。今ってほんまにドーナツ・ピーナツ、勢いあるよね。

ピーナツ:ありがとうございます! 僕もあると思ってたんですけど・・・昨日の単独(ライブ)、結構スベってたんで。

瀬戸:嘘やん!?(笑) てか、昨日単独ライブやったの?

ピーナツ:月に1回を、2年ぐらいやってます。昨日は過去最低のスベり具合で。とんでもない巻き方してました。

ドーナツ:スベりにスベったら、人って巻いてまうんですね。あんまり良くはなかったですね・・・。

瀬戸:単独でそれはいややなぁ! まだ引きずってる? 今日、これから大丈夫そう?

ドーナツ:だから今のところ、勢いもクソもないっすね!

瀬戸:ハハハ!(笑)でも、先輩とかと「今、若手で誰が勢いあんの」みたいな話してたら、ほぼほぼ2人の名前が挙がるよ。おもしろいし、今来てるよね、みたいな。

ピーナツ:ほんまですか!? それはありがたいですね。

瀬戸:うん、だから今のスベった話は方々に言うていくわ(笑)。っていうのは冗談で、『ytv漫才新人賞決定戦』とか、賞レースも良いところまで残ってたりするやんか。

ピーナツ:そうですね、去年くらいからちょっとずつですけど。

ドーナツ:今9年目になったんですけど、本当にチビッとだけ、掴めてるんかな?ぐらいの感じです。

瀬戸:9年目なんかぁ。同期は誰になるの?

ピーナツ:カベポスターとかダブルヒガシ、EXITのカネチーとかです。

瀬戸:もう売れっ子は全然おるんか! でも2人はなんというか・・・地道に1段1段上がっていくようなタイプやろうから。自分らのやりたいことをやっていけば、いつか自分らの時代がくるっていう。

ピーナツ:でもこんなに1段ずつちゃんと登っていくタイプと思ってなかったです(笑)。でもそれをちゃんと自覚したのが去年くらいかもしれないです。

ドーナツ:僕らのなかでは10段くらい一気にボーン!って行ってるつもりで、それがこれ1段やった感じですけど(笑)。

ピーナツ:足、短すぎましたね。

■ 渋くて同郷出身で、運命じゃないかって(ドーナツ)瀬戸:いやでも、着実に積み上げてるよ!で、今回は出囃子について聞きたいねんけど、今の出囃子はなんて曲?

ドーナツ:The Roostersさんの『どうしようもない恋の歌』(1980年)です。

瀬戸:2人の出囃子って元々この曲じゃないよね? 最近変えたの?

ピーナツ:そうなんですよ。元々僕ら東京の亀有に住んでいて、そこの商店街に流れていた『葛飾ラプソティ』っていう曲を前の出囃子にしていました。2人とも好きな曲で。

瀬戸:それを今の曲に変えたキッカケはあったん?

ピーナツ:僕らカウス師匠の弟子なんですけど、カウス師匠がこれから広い劇場でどんどん漫才をやるにあたって、今の曲はちょっとちゃうんちゃうか?って言ってくださって。

ドーナツ:良い曲なんですけど、どっちかと言うとトンチキソングやったんで、ちょっとだけ幼稚っぽく聞こえるというか。堂々とした曲が漫才師としては良いんじゃないかと。

瀬戸:うんうん、なんかポップな感じは分かる。でも、カウス師匠のそんな教えがあったんや!そこまで意識してはんねんなぁ。そもそも、どういった経緯で弟子入りしたん?

ピーナツ:僕ら2人も東京NSC出身で、在学時に師匠にネタ見せさせてもらう機会があって。そのときに「漫才するんやったら大阪やで」って言っていただいて、お話させてもらったんですよ。そこで弟子入りして、大阪でデビューして今に至る感じです。ドーナツ・ピーナツっていう名前もいただきました。

ドーナツ:今、僕らくらいしか漫才師の弟子っていないと思います。

瀬戸:そうやんね! 今の時代でまた珍しい・・・一際目立った経歴やんね。で、カウス師匠がもうちょっとドシッとした楽曲を薦めてきはったんや。

ピーナツ:僕もちょうど出囃子については考えているときで。6年目ぐらいまでは前の曲でも良かったんですけど、7~9年目って劇場のなかでもちょっとお兄さんになって、出囃子が若いかもなとは思っていたんです。今の芸歴にも合う曲をってめちゃくちゃ探したんですけど、こんだけ芸人が世の中溢れてたら、良い曲は取られてるんですよ。

ドーナツ:そんなときに、先輩のニッポンの社長・辻さんが、なんかええ歌あるでって聞かしてくれたのがこの曲。一瞬で渋いしめっちゃ良いってなったんですけど、これといった思い入れがないからなって思ってたんです。で、なんとなくこのバンドを調べたら同郷の「北九州出身」っていうのが分かって。運命じゃないですけど、そんな感じでこの曲になりましたね。

瀬戸:なるほどね。実際に変えたのはいつやったの?

ドーナツ:変えたのは去年で、今で1年経ったくらいですね。

瀬戸:じゃあカウス師匠の教えがあって、ちょっと違う曲にしようかってなったときに、ニッポンの社長の辻くんの薦めでこの曲になったと。・・・全っ然自分らで動いてないやん(笑)。

ドーナツ:そうなんです!(笑) でも自分らでもむちゃくちゃ探したんですよ!?

瀬戸:今のドーナツ・ピーナツの雰囲気にも、ピタっとハマったってことやもんね。よく辻くんが言うてくれたなぁ!

ピーナツ:本当に悩みすぎてたんで、手を差し伸べる感じで教えてくれました。2人で悩んでいたときに思ったのは、幅が狭すぎるし限界があるというか。僕ら全然ない角度の曲だったんで、自分たちで探し続けていても絶対に見つからなかったと思います。

■ 出囃子とは「ネタのイントロ」(ピーナツ)瀬戸:芸歴を重ねて出囃子を変えようっていうのは、自分たちでもネタの作り方とか表現の仕方が変わってきたと感じたからなんかな。変えて1年くらい経つけど、今はもうしっくりきていますか?

ドーナツ:そうですね、大分馴染んできました。スタンスとか、そんな大きくは変わってないですけど、気持ちが少し大人になれたんかなと。

ピーナツ:ドシッとやるタイプではないですけど、昔に比べたらやれてるんかなと思います。最近衣装も変えましたし。

瀬戸:9年目って、もうすぐ10年かってなる、芸人として1個の分岐点やんね。後輩も増えてくるし、なんか変えなあかんかもって思うとき。僕らもどっちかといったらポップな方やったから、このまま行っていいのか、大人のお客さんを意識していかなあかんのかって意識が芽生えた時期やったなぁ。

ピーナツ:僕らもポップな方やと思うんですけど、昨日の単独で思ったのは、お客さんに10代の子とかが意外といなくて。

瀬戸:え! ピーナツなんてかわいらしいし、絶対若いお客さんがついてそうやけど。でもそうか、この見た目やけど結構毒はいたりとかするもんね。

ピーナツ:中身のグロさにね・・・。そういうのもあって、出囃子を外見じゃなくて中に合わせようかってなったのかも。今はいい感じなんじゃないですかね。

瀬戸:もうすぐ10年目やけど、今2人には将来の理想像とかはあるの?

ドーナツ:やっぱり漫才はずっとしたいなと。続けられるように、頑張ってやっていきたいですね。

瀬戸:いいねぇ。ピーナツは?

ピーナツ:・・・テレビに出たいです。

ドーナツ:おい!(笑)全然足並みそろっとらんな!

ピーナツ:ガンガンテレビに出て、大稼ぎしたい。タレントさんにも会って・・・それに向かって1段1段。1年目みたいな夢ですね(笑)。もちろん、漫才はずっとしていきたいです。

瀬戸:足並み揃えてね。では最後に、芸人にとって出囃子とは?というのも聞かせていただいているんですけども。

ピーナツ:僕は・・・「ネタのイントロ」、ですかね。

瀬戸:かっこいい! もう出囃子が鳴ったときから、2人のネタは始まってるってことやもんね。これ良い答えですよ。今までで1番良いかも。

ピーナツ:お前この後出せる? 俺が後からいけばよかったな、ごめんな!

ドーナツ:もう出さんくて良いんちゃうん!? 僕はまぁ・・・「自分らコンビそのもの」。いや、ダサッ!

瀬戸:ハハハ! コンビそのものが「どうしようもない恋の歌」ってことですね。

ドーナツ:なじるように言うのやめてください! 恥ずかしいです!

ピーナツ:自分「ら」って勝手に巻き込むのやめてくれん!?

取材/瀬戸洋祐(スマイル)写真/木村華子

(Lmaga.jp)

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