サイコパスこと相席スタート・山添、嘘吐きまくりの人生で気づき「世の中捨てたものじゃない」
今年4月よりラジオ番組『サクラバシ919』(ラジオ大阪)で火曜日のメインパーソナリティをつとめている、相席スタートの山添寛。「クズ紳士」「サイコパス」を自称し、数々の爆弾発言でSNSを騒がせている山添だが、同番組でも真偽不明のトークを展開している。
3度目の放送回(4月19日)でもそんな山添節が炸裂していたが、今回のインタビューでは、今後のトーク内容に結びつきそうな話が次々と飛び出した。
取材・文/田辺ユウキ
■「大人になってからラジオの良さを全身で浴びています」──ここまでの放送では山添さんが伸びのびと番組を進行していらっしゃる印象です。ラジオのおもしろさを実感しているんじゃないですか。
僕は学生時代、ラジオにはほとんど触れずに過ごしていました。芸人としてラジオのお仕事をいただくようになってから興味がわいてきました。ラジオは、テレビやYouTubeとは違う独自の文化が発展していて、「なんやろう、この魅力は!?」と大人になってからその良さを全身で浴びています。
──よく聴いているラジオ番組はありますか。
パンサーの向井さんがやっていらっしゃる『むかいの喋り方』(CBCラジオ)や、YouTubeなどで配信されている『ネルソンズのカスタムラジオ』ですね。あとここだけの話ですが、相方のケイさんも出演するナイツさんの『ナイツ ザ・ラジオショー』(ニッポン放送)は、お三方に「聴いたことがない」と伝えているんですけど、実は聴いていますね。
──どうしてそんな嘘をつくんですか(笑)。
その方がおもしろそうだなって。聴いていますと伝えたところで、その先はなにも生まれない気がしたんです。聴いていないと言っておけば、「お前、聴けよ」みたいなノリがあって、「いやぁ~、いまにも聴いてしまいそうですよ」というくだりを何度か続けることができる。だから「聴いていない」という体裁をとっています。
──『サクラバシ919』は、パーソナリティらの好きなコンテンツとリスナーの出会いを作ることがコンセプトになっています。ちなみに山添さんはギャンブル好きであることがよく知られていますが・・・。
たまにメールで「僕もギャンブルをやろうと思いますが、どうですか」と尋ねられるんです。でも「あなたは、俺たちに本当に付いて来られるのか」という感じですね。たとえばサッカーの3対3のミニゲームをやっただけで、「サッカーはおもんない」とか言ったら、選手はムッとくるじゃないですか。それと一緒で、5000円だけパチンコを打って「おもんない」「勝てへん」とか言われたら、こっちとしても腹が立つんですよ。
──それだけで分かったような気になるな、ということですね。
パチンコ台の演出のセリフが独り言として出てくるくらいまで台と向き合い、気が狂うまでパチンコを打って、そこで初めて「ハマってくれてありがとう」となるんで。側(がわ)だけで判断する人には、ギャンブルはハマって欲しくない。だから、僕としてはみなさんにハマってほしいものを挙げるなら、ギャンブルではなくトンカツですね。
──え、トンカツですか?
僕がいままさにトンカツにハマっていて。もともとケイさんから「お父さんから、山添くんと何か食べなさいって5000円をくれたからなにか食べに行こう」と誘われて、秋葉原の「丸五」という名店へ行ったんです。
そこでひとり2500円くらいするロースカツ定食を食べたんですけど、自分の知っているトンカツとはまったく別ものだったんです。今までトンカツのことを軽んじていたことに気づきました。そして「世間的にまだトンカツの魅力を知らん人が多いかもしれんぞ」と。
■ 唯一の弱点?「受け入れて包み込んでくるタイプ」──ここまでの放送のトピックスとして、木曜パーソナリティの都築拓紀さん(四千頭身)にふっかけているバトルの行方も気になります。ただ都築さんは現状「山添さんはそんなこと言っているけど、あの人は熱くて真面目な人」と組み合う素ぶりを見せていません。
僕的には、芸人同士で良い喧嘩ができたら良いなと考えていたんです。「なんなんだこの人、しんどいよ」「吉本のこういうノリが嫌いなんだよ」とか言ってくれると想定していたんですけど、ふたを開けると都築がとにかく良いやつで・・・。
こっちがふっかけてもやさしく受け止めてくるんですよね。しかも「山添さんは真面目な人」とか、僕が言われたら本当に嫌なところを突いてくる。こっちとしては、気がついたら腰まで沼につかっているような状況にしたかったけど、都築は立ち振る舞いがうまいですね。
──相手が食ってかかってきたら自分のフィールドに引き込めるけど、それができないわけですね。
僕に対してムカついて、遠慮なく言ってくる相手はやりやすい。こっちも好きなように料理できるんですけど、受け入れて包み込んでくるタイプは難しい。自分は拳だけで友だちを見つけてきたみたいな人間なので、急に抱きしめられて困惑しています。ただ、都築も見えない角度からちょこちょことパンチを打っているようにも見えるんで、これからも細かく仕掛けていこうかなって。
──2回目の放送では、『ラヴィット!』(TBS系)で共演する田村真子アナとの交際宣言もありました。同番組のなかでは山添さんが交際をほのめかしたりして、それがトレンドにもあがっていましたけど。
僕としては「交際宣言を信じてくれない人って、ちゃんとたくさんいるんや」という感覚です。ニュースの見出しだけ見て、変に勘違いして、信じ込んで叩く人って多いじゃないですか。でもあの交際宣言に関してはみんな騙されへんから、「世のなか捨てたもんじゃないな」って。
──この質問は山添さんのノリで答えてくださって良いんですけど、田村アナと交際することになったきっかけを教えてください。
田村アナから「ガム、食べますか」とミントガムを渡されたんです。その銀の包み紙にLINEのIDが書かれていて。いや、厳密にいうとIDではなくQRコードが手書きされていて。「これホンマか」と驚いて田村アナの方を見たら、顔をポッと赤らめたんです。LINEって相手にIDを普通に教えるより、QRコードを手書きする方がこんなに気持ちって伝わるもんなんやって。そのときグッときましたね。
──メールより直筆の手紙が良い、みたいな?
それに仕事が丁寧な方じゃないと、QRコードの手書きは無理ですよね。雑なものだったら、スマホでは読み込めませんから。あのQRコードで田村アナの気遣いや仕事に手を抜かない細やかさを感じて、いつの間にか惚れていました。あの日から僕らは始まっていきました。
■「僕が喋っていることをすべて体に通さなくて大丈夫です」──こんな話をメディアで平然とできるなんて、山添さんはやっぱりサイコパスですね。
でも、僕なんて序の口ですよ。同期のカゲヤマ・益田康平とかすごいですから。彼は、自分の前を歩く男性がアイコスの箱を落としたから拾ってあげたら「捨てたんスよ」と言われたらしく、「マジでムカつかない?」と。でも益田が腹を立てていたのは、その男性がポイ捨てをしたことじゃなく、「捨てるんだったら叩きつけるようにして捨てろよ!」って。「こいつ、怖っ」となりました。でも益田のそういうところはもっと注目されてほしいですね。
──最近ではラジオ番組のなかで重大発表をされる方が多いですが、山添さんは今後なにかありそうですか。
もちろんやってみたいですね。結婚とかラジオで発表したい。いまはまったく予定がないですが。ただ「僕が結婚します」と言っても、リスナーが信じてくれるかどうかですよね。僕はどんなことでもホンマの体(てい)で喋っているんですけどね。いや、体とか言っている時点でおかしいことなんですけど。
──だって嘘まみれの2時間番組ですから!
本当にそう言われているんですよ。あと、番組内で「これはトゥルーニュースです」とこんなに前置きをはさむ人は僕以外にはいないですから。みなさん、フェイクニュースに慣れてきたから選別する目が鋭くなっていますね。
──9割くらい嘘にまみれたなかで、1割の真実を見つけるのが山添さんのラジオをおもしろさだと思います。
確かにおっしゃる通り。でも僕の場合、真実が1割もないから嘘がバレるのかも。まあ、こんなラジオが週に1回くらい、世のなかにあっても良いかもしれませんね。この番組では、喉元につっかえるような会話しかしていませんから。だからリスナーのみなさんはこれからも、僕が喋っていることをすべて体に通さなくて大丈夫です。
◇
山添が火曜日パーソナリティを務める番組『サクラバシ919』(ラジオ大阪)は、毎週月~金曜・夜11時から深夜1時までの生放送。月曜は鎌田菜月(SKE48)、水曜は声優の神尾晋一郎、木曜は都築拓紀(四千頭身)、金曜は白間美瑠(元NMB48)が担当している。そのほか、生放送のスタジオの様子を映像で観ることができるライブ配信アプリ『ミクチャ』も必見。
(Lmaga.jp)
