甘美な毒をふりまく、フランス象徴主義の巨匠・モローの回顧展

19世紀末のフランスで活躍した象徴主義の巨匠、ギュスターヴ・モロー(1826~1898)。彼の作品約100点から成る展覧会が、7月13日から「あべのハルカス美術館」(大阪市阿倍野区)でおこなわれる。

モローが活躍した時代のフランスでは、現実をありのまま描き出そうとする写実主義が主流を占めていた。ところが、その真逆をおこなったのがモローで、神話や聖書のエピソードを題材に、人間の内面や目には見えない世界を描いたの。神秘的で濃密で、ゴージャスな雰囲気に満ちた唯一無二の絵画世界。そこには甘美な毒性が含まれており、没後100年以上を経た現在でも熱狂的なファンが後を絶たたない。

パリの「ギュスターヴ・モロー美術館」が全面協力する本展では、『出現』『エウロペの誘拐』『一角獣』などの代表作が一堂に集結するほか、「ファム・ファタル」(男性を誘惑し、破滅に導く宿命の女)をキーワードに、モローが生きた時代と彼自身の女性観を紹介。また、「世界で一番大切な女性」だった母・ポーリーヌや30年近く愛し続けた恋人・アレクサンドリーヌとの関係、直筆メモなどを通して、モローの人間的な素顔にも迫る。料金は一般1500円、期間は9月23日まで。

文/小吹隆文(美術ライター)

(Lmaga.jp)

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