釜石沢田 義足、中指欠損乗り越え歓喜

 「選抜高校野球・1回戦、釜石2-1小豆島」(21日、甲子園球場)

 イニング間、味方のグラブを手に全力で甲子園のグラウンドを駆けた。ベンチから声も張り上げた。仲間とともにつかんだ1勝-。釜石(岩手)の沢田一輝内野手(3年)は「本当に野球をやってて良かったです」と喜びをかみしめる。

 先天性で誕生後に右足の異常と右手中指の欠損が見つかった。「このままでは歩けなくなる可能性がある」と2歳の時に右足膝下を切断して義足を装着。右手は生活に支障をきたさないよう、薬指と人さし指のスペースを狭める手術を受けた。

 そんな沢田が心を奪われたのが野球。父・祐一さん(45)は高校時代、夏の岩手大会で準優勝を果たし、草野球でプレーする姿を見ていた。「野球がしたい」。そう父に何度も訴えた。でも首を縦に振ってくれなかった。

 「みんなについていけず、つらい思いをするのではないか」と祐一さん。それでも沢田は折れなかった。純粋に野球がやりたかった。1年後、小学5年生の時に父が根負けする形で出たGOサイン。ハンディをものともせず、仲間と懸命にボールを追いかけた。

 右手と右足で計5度の手術を乗り越え、聖地のど真ん中で歌った校歌。沢田は両親へ感謝の言葉を口にした。「今まで支えてもらって…金銭的な部分でも。だから恩返ししないといけない。次はグラウンドに立つ姿を見せたいです」と-。

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