池田、夏こそ“やまびこ打線”復活だ!

 「選抜高校野球・2回戦、池田1‐4豊川」(28日、甲子園)

 2回戦3試合が行われ、27年ぶり出場の池田は1‐4で豊川に敗れた。8強入りは逃したが、2001年4月に亡くなった蔦文也元監督(享年77)の教えを受け継ぐナインが復活の一歩を刻んだ。沖縄尚学は8‐1で白鴎大足利に圧勝。ともにプロ注目の最速145キロ左腕、佐野日大・田嶋大樹投手(3年)と1回戦で2本塁打の智弁学園・岡本和真内野手(3年)の対決は、佐野日大が5‐4で延長戦を制し、初のベスト8入りを果たした。

 逆転の願いは届かなかった。二回にエース・名西がつかまり4失点。打線は八回、代打・林の二塁打などで1点を返すのが精いっぱいだった。2試合で計13安打5得点。池田復活の春は幕を閉じた。

 「昔に比べスケールは小さいが、精いっぱい食らいついた。(復活は)地元の子だけで成し遂げたこと。感激、感動があった」。岡田康志監督(52)は、悔しがるナインに誇らしげな視線を送った。

 徳島県全域から有力選手が集まった全盛期とは違い、今回はメンバー18人のうち16人が、県北西部の地元・三好市やその周辺出身。文字通り、蔦元監督が表現した「山あいの町の子どもたち」だ。海南との初戦は逆転サヨナラ勝ち。その粘り強さは、同じく地元選手ばかりで準優勝した74年春の“さわやかイレブン”を思い起こさせた。

 恩師も喜んでくれるはずだ。現在、徳島県内の高校野球部で監督を務める池田OBが、岡田監督を含め5人いる。その5人は毎年4月28日の恩師の命日を前に、それぞれのチームを率いて集結。「蔦先生追悼親善試合」と名付けられた大会は、今年も4月26、27日に地元で開かれる。

 大会後には墓前に赴き、近況を報告する。「1回勝てました。また上を目指して頑張ります。蔦先生には、そう伝えたい」と岡田監督。4番・岡本は「かつての“やまびこ打線”と言われるようなチームになって帰ってきたい」と誓った。打力を鍛え、再び聖地へ。甲子園の夏空で待つ「攻めダルマ」に、もっと大きな金属音を届けてみせる。

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