済美・安楽、志願復活登板で147キロ

 「高校野球春季四国大会・1回戦、済美4‐3高知」(3日、JAアグリあなんスタジアム)

 センバツ準決勝の再現となった済美(愛媛2位)‐高知(高知1位)は、済美が4‐3で逆転勝ちした。済美は、1日に投球を再開したばかりのエース・安楽智大投手(2年)がセンバツ決勝後、初の実戦登板。2回を無安打無失点で抑え、試合を締めくくった。尽誠学園(香川1位)は3‐2で生光学園(徳島2位)を撃破。今治西(愛媛1位)は6‐1で琴平(香川2位)を下し、鳴門(徳島1位)は5‐2で高知商(高知2位)に競り勝った。4日の準決勝は済美‐尽誠学園、今治西‐鳴門で行われる。

 “怪物”の登場にどよめきが起こった。3点差をひっくり返して迎えた八回。ベンチから安楽が小走りで向かった先は、4月3日のセンバツ決勝以来、1カ月ぶりのマウンドだった。

 勝利目前の2イニング。「今、出せる力を出し切った」と怖がらず腕を振った。直球は最速147キロをマーク。1四球を与えたが、無安打無失点で2奪三振。ブランクを感じさせない貫禄の27球で、センバツ準決勝の再現となった高知との接戦を締めくくった。

 甲子園で計772球。3回戦で打球が直撃した右手首は「骨挫傷で全治4週間」と診断され、4月いっぱいはノースロー調整を続けた。1日にキャッチボールを再開したが、以前から上甲正典監督(65)は「無理はさせられない」と話しており、今大会の登板回避は確実という見方が強かった。

 だがMAX152キロの剛腕は「投げたくてウズウズしていた」という。前日もブルペンで50球を投げ、復調をアピール。その姿を見た指揮官は、試合前に主治医に電話し「2回までなら」と許可を得ていた。三回には先発の太田が、右足に打球が直撃し降板。継投プランに狂いが生じたことも安楽の登板を早めた。

 「監督から何度も『痛くないか』と聞かれたけど、『大丈夫です。行けます』と答えました。肩も肘も手首も、問題はありませんでしたから」。

 ダルビッシュ(レンジャーズ)がツイッターで「球数制限」を提案するなど、センバツでの熱投は議論を呼んだ。それでも本人は「エースなら1人で投げ抜きたいと思うもの」と信念を崩さない。4日の尽誠学園との準決勝へ「いつでも投げられるように準備したい」と“連投”も辞さない構えだ。

関連ニュース

編集者のオススメ記事

野球最新ニュース

もっとみる

    スコア速報

    主要ニュース

    ランキング(高校野球)

    話題の写真ランキング

    写真

    デイリーおすすめアイテム

    リアルタイムランキング

    注目トピックス