関西、大勝で決勝へ…児山7回2失点

 「明治神宮野球大会・高校準決勝、関西10-2春江工」(13日、神宮)

 関西(中国地区代表)が七回コールドで初出場の春江工(北信越地区代表)に大勝し、7年ぶり3度目の決勝進出を果たした。一回、6番・戸部大二外野手(2年)の中前適時打などで4点先制。三回以降も加点し、計10安打10得点。先発した児山祐人投手(2年)が7回2失点。14日の決勝は初優勝を懸けて、仙台育英(東北地区代表)と対戦する。

 臨機応変の投球術で秋の頂点に王手をかけた。中1日で先発したエース児山が8安打を浴びながら7回2失点で切り抜けた。味方打線の大量援護にも恵まれた左腕は「気持ち的には楽でしたが、スコアは0‐0のつもりで気を抜かずに投げました」と125球を振り返った。

 立ち上がりは直球主体だったが、中盤から変化球中心の組み立てに切り替えた。「調子は悪くなかったが、厳しいコースがボールになった。いつもと違ったスタイルで勝つことができた」と納得顔。「直球の次に自信がある球」というシンカーを武器に打たせて取る投球が奏功した。

 安田学園との初戦ではバント処理の失敗やボークなど、児山自身のミスが失点につながった。12日は守備練習に通常より多くの時間を割いて修正に努めた。「今日は課題のフィールディングがきっちりできました」と胸を張った。

 14日の決勝は関西にとって3度目の挑戦となる。01、05年と決勝に進出した過去2度はいずれも準優勝に終わっている。「神宮大会優勝を目標に夏から練習してきました。中国地区代表はまだ優勝していない。歴史を塗り替えたい」と児山は高らかに必勝を宣言した。

 相手はプロ注目の4番打者・上林を擁し、同じく初優勝を狙う仙台育英。「明日も投げる準備はできています。今出せる自分の力を出し切って、どこまで通用するかやっていきたい」。今年最後の公式戦、関西のエース児山が全力投球で新しい歴史を刻む。

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